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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その三十五

 するとだ、タンホイザーはすぐにこう彼に返した。
「歓迎です、是非です」
「試験運用を行ってだな」
「それで合格となれば」
「即座に量産し軍に配備し」 
 その新兵器達をだ。
「実戦の時は働いてもらいましょう」
「そうだな、では運用はだ」
「私がですね」
「主にしてもらいたい」
「わかりました」
 タンホイザーはモンサルヴァートに確かな顔で答えた。
「そうさせてもらいます」
「ではな」
「試験艦隊にその運用を任せますが」
「色々と見てもらう」
「そうさせて頂きます、ただお聞きした兵器では」
「連合軍のティアマト級、それ以上にゾロアスター級をだな」
「沈めることは出来ません」
 こうモンサルヴァートに答えた。
「あれでは」
「そうだな、とてもだ」
「この二種の巨艦達は要塞です」
 そう言ってもいいものだというのだ。
「要塞を攻略するとなりますと」
「新型の艦艇でもだな」
「無理です」 
 そこまでの能力がないというのだ。
「要塞の主砲でもないと、ただ」
「攻略方法はあるか」
「コロニーレーザーの直撃ならば」
 百隻単位で消し飛ばすこの武器ならばというのだ。
「それも可能でしょう」
「では連合軍と戦闘になればか」
「コロニーレーザーを多く用意すれば」
 そうすればというのだ。
「あの巨艦達も攻略出来ます」
「それが卿の考えた戦術か」
「はい」
 その通りだというのだ。
「そうです」
「一般の艦艇では無理か」
「あの巨艦達はどうしても」
「ティアマト級は一隻も沈められなかった」 
 モンサルヴァートはエウロパ戦役の話をした。
「それを見ているとな」
「到底ですね」
「通常の艦艇では無理だ」
 その攻略をだ。
「それならな」
「コロニーレーザーで」
 それを使ってというのだ。
「撃ちましょう」
「そうして倒すか」
「そう考えています」
「成程な、倒し方はあるか」
「不沈戦艦は存在するか」
 タンホイザーはアッディーンに言った。
「それはもう答絵が出ています」
「存在しない」
「はい、決して沈まない艦なぞありません」
「所詮は人間が造ったものだ」
「それならばです」
「沈むな」
「そうです、どういった艦でも」 
 例えそれがどれ程頑丈でもだ。
「沈みます」
「だからだな」
「その艦艇もです」
「必ず沈む」
「はい」
 そうだというのだ。
「ですからティアマト級、ゾロアスター級もです」
「どちらの巨艦達もか」
「沈められます、あれだけの巨艦でもコロニーレーザーならば」
「直撃を受ければ沈むな」
「はい」
 そうなるというのだ。 
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