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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その三十四

「それでも十人もの子供を持つ家庭は少ない筈だ」
「エウロパは二人が大抵でした」
「一人も多いです」
「二人以上はあまりいません」
 流石に中絶等はさせられないが人口抑制政策として避妊具の使用が奨励されていて少なくなっているのだ。
「それが急に五人六人でも驚きますし」
「ましてや十人となりますと」
「各家庭がもうけるなぞは」
「あまり考えられない、これからエウロパは多産を奨励するが」
 実際にギルフォードは政策として掲げている。
「しかしだ」
「それでもですね」
「連合を人口で凌駕することは難しいですね」
「千億で四兆に追いつくことも難しいですね」
「かなりの歳月がかかりますね」
「元々欧州の人口は少なかった」
 これは歴史にある通りだ、欧州随一の大国だった神聖ローマ帝国は一六〇〇万の人口がいたが当時その神聖ローマ帝国よりも国土が狭かった日本は一八〇〇万人いたという。
「国父ブラウベルグの時もだった」
「我々は五億でした」
「それに対して連合は人口が多かったですね」
「中国やアメリカ、ブラジル、インドネシア、ブラジル、ナイジェリア、日本と人口大国も多く」
「そこにきての多産奨励政策でした」
「元々多い人口がさらに増えた」
「そうでしたね」
「そうだった、だからだ」
 それでというのだ。
「あの国は人口が多いが」
「しかしですね」
「我々は元々人口が少なく」
「しかも人口抑制政策をせざるを得なかった」
「国土の狭さから」
「それで人口で連合を超えることはだ」
 四十倍もの人口差、それをだ。
「非常に難しい」
「数百年かけても」
「相当な人口増加を達成しても」
「あの国の人口も増え続けている」
「だからですね」
「それはない、連合が少子化になることもだ」
 これはというと。
「有り得ない」
「確かに」
「それはまずありません」
「あれだけ多産を奨励しています」
「しかも不妊症への研究も進んでいます」 
 これは国力増強の為に連合もちからを入れて研究しているのだ。そうしてかなりの成果を収めているのだ。
「子供はすぐに出来ます」
「そうした国です」
「だからですね」
「我々があの国に人口で勝てるか」
「それは難しいですね」
「だがエウロパは連合に勝たなければならない」
 そうした不利な条件が揃っていてもというのだ。
「何とかな」
「必ずですね」
「やがては」
「その為に兵器もどんどん開発していきます」
「それを続けていきます」
「卿等にも頼む、我々はまだまだはじまったばかりだ」
 モンサルヴァートはこうも言った。
「連合という巨獣と再び戦うことをな」
「ではこれからも」
「兵器を開発していきます」
「より優れた兵器を」
「そうしていきます」
 技術部の面々はモンサルヴァートに約束した、そのうえで彼等は退室した。モンサルヴァートはここで一人になったが。
 昼食はタンホイザーと共に食べた、彼はまずはメニューの最初に出て来たパスタを食べつつタンホイザーに新兵器のことを話した。 
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