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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その三十二

「我々にとってな」
「その攻撃射程の長さも使われましたし」
「あの索敵を我々も備えたいと思いましたが」
「まだまだ無理ですね」
「二世代の進化位では」
「まだまだだ、そしてだ」
 さらに言うモンサルヴァートだった。
「こちらも見付からない様にな」
「そうしないとですね」
「ステルス能力も気をつけていますが」
「連合軍は案外そちらも高いので」
「厄介ですね」 
 つまりこちらは索敵をしても連合軍の艦艇が見付からないのである、そのこともエウロパ軍にとって非常に問題なのだ。
「だからです」
「こちらの索敵能力も高めていますが」
「二世代上げてもです」
「まだまだですね」
「これは」
「そこはさらに上げよう、しかしここで覚えるべきことは」
 それはというと。
「連合軍も常にだ」
「進化していきますね」
「今でもかなりの技術ですが」
「まさに日進月歩で」
「そうなっていきますね」
「だからだ、我々が技術を進化させてもだ」
 それでもというのだ。
「彼等はより進化させていくのだ」
「だから追いつくにはですね」
「我々はより努力していく」
「そうして発展していかないといけないですね」
「連合軍は常に見ておくことだ」
 敵であり目標でもある彼等をだ。
「発展するとだ」
「さらにですね」
「我々はより発展する」
「そしてそのうえで」
「強くなるのですね」
「そうだ、少しずつでも発展して連合軍に勝てる軍隊になるのだ」
 それがエウロパ軍の目標だというのだ。
「数で大きく劣っているしな」
「それは技術以上に厄介です」
 技術部門の高官達は誰もがこう言った、それも苦い顔で。
「数についてはどうしようもありません」
「それが連合最大の武器です」
「あの人工からほんの少し集めただけであの数です」
「百三十億です」
「我々の十三倍ですから」
 四兆の人口からそれだけの数なのだ。
「我々は千億から十億です」
「何とか必死に集めてです」
 尚エウロパは志願制である。
「これだけです」
「この数の差につきましては」
「そうそうどうにも出来ません」
「その数をどう補うか」
「それが我々の問題ですが」
「これは本当にだ」
 モンサルヴァートも数については苦い顔で言う。
「どうにもならないものがある、我々が百年後倍の二千億になってもだ」
「ここで連合の人口増加率は増えてきています」
「百年後には三倍だとか」
「だとすると十二兆ですね」
「そこまで増えるとです」
「どうにもなりません」
「この人口増加は我々はそれこそ鼠の様に増えてだ」
 つまり鼠算式にというのだ。
「増えないとだ」
「なりませんね」
「それこそ」
「そしてそのうえで、ですね」
「連合を凌駕しないといけませんが」
「現実としては」
「それはまずだ」
 モンサルヴァートは現実を述べた。 
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