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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その二十七

「長距離の航行も可能ですね」
「そうだ、あの国は広いな」
「はい、非常に」
「だからだ、広大な連合を移動しているからな」
 その中には様々な場所があることも知られている。磁気嵐やアスレテロイド帯にスペースサルガッソー、それにブラックホールや超惑星等だ。
「だからだ」
「艦艇も長距離移動が可能ですね」
「それこそ暗黒宙域でもだ」
 連合の艦艇ならというのだ。
「中継地なしで踏破も可能だろう」
「そこまで頑丈ですね」
「連合の船はまさにだ」
「第二次大戦中の船ですね」
「戦艦で言うとアイオワや大和だ」
 そうした巨艦達だというのだ。
「我々はまだドレッドノートにすら至っていない」
「あの艦艇にすらですね」
「それまでの艦艇の在り方を一変させた艦ですが」
「我々はまだドレッドノートにも至っていない」
「そこまでもですね」
「それをだ」
 その連合と比べると移動距離や頑丈さでも遥かに劣った状況をというのだ、もっと言えばレーダーすら備えていない様だというのだ。
「変えていく、そしてだ」
「暗黒宙域を突破し」
「そのうえで、ですね」
「新天地を手に入れて」
「その新天地で富を得てですね」
「連合を超えるのだ、我々は多くのバスコ=ダ=ガマやコロンブスを生み出し」
 そうした海の発見者達をというのだ。
「そしてだ」
「それからはですね」
「さらにですね」
「新天地の富と領地ですね」
「それを手に入れますね」
「その全てを」
「エウロパはまさに大航海時代の欧州だ」
 今の彼等がおかれている状況はとだ、モンサルヴァートもこのことを軍務大臣として危機的なまでに痛感しているのだ。
「ならばだ」
「ここからですね」
「海に出て、ですね」
「そのうえで新天地の富を得る」
「大航海時代の欧州の様に」
「そうして力を備えるのが総統の戦略だ」
 ギルフォード、彼のというのだ。
「エウロパ本土の内政を整え発展させると共にな」
「マウリアからの技術を使ってですね」
「産業を刷新し開発と開拓も進める」
「そうしてこれまで住めなかった星にも進出し」
「居住可能な星も増やしてですね」
「資源の開発も進めますね」
「そうすると共にだ」 
 エウロパ本土をより豊かにするのと共にというのだ。
「新天地も手に入れていくのだ」
「そしてそこで、ですね」
「銀やジャガイモに匹敵するものを手に入れますね」
「そこでも産業を興し」
「さらに豊かになりますね」
「その豊かさで連合を超えることがだ」
 それこそまさにとだ、モンサルヴァートは話した。
「総統のお考えで私もだ」
「そうあるべきとですね」
「閣下もお考えですね」
「その様に」
「エウロパは連合との戦いに敗れた」 
 エウロパ戦役でだ、この敗戦はエウロパにとってはあまりにも痛いものであり忘れられないものでもある。 
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