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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その二十六

「もう一つ考えがある」
「はい、それはですね」
「暗黒宙域を踏破する」
「そしてその先の新天地を手に入れる」
「そのこともですね」
「何十万光年もの距離を踏破するのは不可能だ」
 ここでこうも言ったモンサルヴァートだった。
「だから途中幾つか中継地点をもうけるが」
「それでもですね」
「長い距離を移動可能な艦艇にしていきますね」
「それも厳しい環境を」
「そうした艦艇にしていきますね」
「今の我々の船はまだまだだ」
 長距離を踏破出来るにはというのだ。
「だからそこをだ」
「長距離の踏破を可能にする」
「そうした艦艇にしていきますか」
「我々は」
「その様に」
「連合軍の船を第二次大戦の頃の艦艇とするとだ」
 完全に鉄鋼化していてレーダーも装備した、だ。
「我々はまだ十九世紀末か」
「ようやく、鉄鋼化出来てきている」
「石炭の船ですね」
「レーダーも装備していない」
「その程度ですね」
「それでは心もとない」
 それ故にというのだ。
「だからだ」
「ここはですね」
「大戦中に近付けていく」
「そうしていきますね」
「暫時な、そして暗黒宙域もだ」
 そこもというのだ。
「中継地を幾つも設けて進むが」
「宇宙ステーションをですね」
「そうしてですね」
「先に進んでいく」
「そうしていきますね」
「そうだ、しかしだ」
 中継地は設けていってもとだ、モンサルヴァートは技術部の高官達に対してさらに話した。軍の責任者として。
「それでもだ」
「何十万光年の距離であり」
「中継地を設けていっても長距離だからですね」
「長距離航行が可能な艦艇を建造する」
「それも重要ですね」
「大海原を越えるのだ」
 暗黒宙域という名のそこをというのだ。
「それならばだ」
「頑丈でなければならないですね」
「それこそ鉄鋼の船の様な」
「帆船の名残がある船では駄目ですね」
「最早」
「一九〇〇年代の船はだ」
 即ち二十世紀初頭の軍艦達である。
「確かに鉄だったがな」
「それでもでしたね」
「燃料は石炭であり」
「そして砲の多くは艦の左右にありました」
「そうした艦でした」
 当然大波が来れば砲門のと艦の間から海水が入ることも考えられる。
「それではです」
「まだまだ大海原を超えられませんね」
「二次大戦の頃の船でなければ」
「万全でないですね」
「兵器の性能の差もそうだが」
 それと共にというのだ。
「我々は艦艇の頑丈さも考えないとならない」
「連合軍ですが」
 技術部の高官の一人が言ってきた。 
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