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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その十九

「そこに入られるだけ勉強してな」
「頭もよくなって」
「あと健康であることですね」
「当然スポーツも出来て」
「そこまで出来てですね」
「そうさ、俺はスポーツは出来たんだよ」
 そっちはというのだ。
「レスリングな、住んでる惑星の大会までいったぜ」
「それは凄いですね」
「相当だったんですね」
「そっちなら幼年学校にも行けたかもな、しかしな」
 それでもとも言うのだった。
「何度も言うが頭が悪くてな」
「スポーツ推薦とかは」
 ハルークはアブクールにあえてこの道での進学の道を問うた。
「考えなかったんですか?」
「それな」
「はい、駄目だったんですか?」
「考えたけれど大学行っても何か面白くなさそうでな」
「だからですか」
「軍の入隊試験受けたんだよ」 
 一般のそれをというのだ。
「そうしたんだよ」
「そうでしたか」
「ああ、だからな」
「スポーツでの推薦で進学もしないで」
「入隊したんだよ」
 今自分がいる軍隊にというのだ。
「そうしたんだよ」
「そういうことですか」
「ああ、まあ本当に提督になりたいならな」
「幼年学校ですね」
「そこだよ、兵隊は兵隊だ」
 それに過ぎないと言うのだった。
「そこまでさ、じゃあ兵隊としてな」
「俺達はですね」
「ここで、ですね」
「配置に就いていような」
 そして警戒を怠るなというのだ。
「敵が何時来てもいい様にな」
「わかりました」
「それじゃあ眠気を覚ましながらです」
「配置に就いています」
「見張りは怠りません」
「そうしろよ」
 ハルークとハーディンに話してだ、そしてだった。
 彼等は彼等のいる場所で戦争を行っていた、戦闘は行われていないが配置には就いていたのである。
 オムダーマン軍もティムール軍もその殆どは配置に就いているだけで動きはなかった。だがアッディーンとシャイターンがそれぞれ率いている軍勢は別だった。
 戦場となる両国の国境のそのまさに境目に向かっていた、アッディーンはオムダーマン軍の総旗艦であるアリーの中で言った。
「いよいよだな」
「はい、開戦しました」
「ならばです」
「敵が前に来れば」
「その時は」
「戦闘だ」
 それになるとだ、アッディーンは幕僚達に述べた。
「そうなる」
「それでもですね」
 ガルシャースプが言ってきた。
「今の戦いでは」
「そうだ、あの艦は使わない」
 アッディーンはガルシャースプの問いにすぐに答えた。
「今回の戦いではな」
「そうされますか」
「戦場に持って来ることもしない」
 それもしないといいうのだ。 
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