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ドリトル先生と牛女

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第一幕その六

「それこそね」
「普通に何百年だしね」
「死なないとか言うし」
「病気も何にもないとか」
「歌にもあるね」
「まあ実際は死んだり病気もあるけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「かなり長生きだね」
「それこそ僕達よりも遥かに」
「何百年と生きていくから」
「七十年位だと」
「まだ若い位だよ」
 妖怪にとってみればです。
「お静さんもそうだね」
「そうそう、あの人だってね」
「百年か二百年だった?」
「かなり長生きしてるのよね」
「そうだったわね」
「猫が五十年生きたら猫又になるから」
 だからだというのです。
「もうね」
「少なくとも五十年は生きてるのね」
「猫又になるまでそれだけかかるから」
「じゃあもう牛女さんより長生き?」
「絶対にそうだね」
「それは間違いないね、狐が千年生きたら九本尻尾になるし」
 所謂九尾の狐です。
「僕達なんかとてもね」
「及ばないね」
「その長生きさは」
「それこそね」
「比べ様がないね」
「何かもう死んだのかもって言う人がいるけれど」
 牛女はです。
「今も目撃例あるしね」
「それでだよね」
「今だってあるなら」
「牛女さん今も六甲にいるね」
「そうだね」
「絶対にそうだよ」 
 先生は動物の皆に笑顔で答えました。
「あの人もね」
「じゃあ六甲に行くとね」
「その時はよね」
「僕達も牛女さんにお会い出来る」
「そうなんだね」
「その可能性があるよ」
 先生は皆に笑顔でお話しました、そうしてこの日も学問に励みました。そして夜は王子がお家に来てでした。
 先生にすき焼きの食材を持って来ました、勿論お肉もです。そうして先生に対してこんなことを言いました。
「神戸牛だから」
「美味しいんだね」
「うん、凄くね」
 こう言うのでした。
「だから皆で食べようね」
「それじゃあね」
「じゃあ今からすき焼き作りますね」
 トミーも言ってきました。
「そうしますね」
「それではね」
「いや、和牛はね」
 王子は笑顔で言いました。
「滅茶苦茶美味しいよね」
「そうだよね」
「お肉が霜降りになっていて」
「柔らかくてね」
「あの美味しさときたら」
 それこそというのです。
「牛肉だけれどね」
「それでもだね」
「牛肉を超えた」
「そこまでのものがあるね」
「僕ははじめて食べて感激したから」
 その和牛のお肉をです。 
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