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ドリトル先生と牛女

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第一幕その七

「神戸牛のそれをね」
「だから僕にも紹介してくれたね」
「そうだったよ」
「そうだったね」
「そして先生に来日を勧めて」
「今の僕があるしね」
「そうだね」
「そう思うと僕と牛の縁は深いね」
 先生の口調はしみじみとしたものでした。
「そうだね」
「もっと言えば動物皆とだね」
「うん、本当に僕はね」
「動物と先生の関係は」
「絶対のものだね」
「そうだよね」
 笑顔でお話してでした。
 皆で神戸牛のすき焼きを楽しく食べます、そこで先生は王子に尋ねました。
「神戸牛だから高かったね」
「いや、貰ったんだ」
「そうだったんだ」
「八条家の人からね」
「僕達の学園を運営している」
「あちらの人からかなり貰ったから」
 それでというのです。
「僕は今回は買っていないよ」
「そうなんだね」
「そうだよ、この前日本の皇室に我が国で採れたダイアモンドをプレゼントしたら」
 そうしたらというのです。
「あちこちからお礼ってことでね」
「貰っているんだ」
「それでその人からはね」
「神戸牛のお肉をなんだ」
「貰ったんだ」
「そうだったんだね」
「つまらないものですがって言われて」
 そしてというのです。
「こんな凄いもの貰ったよ」
「その言葉は日本の礼儀だね」
「つまらないものって言うのは」
「それはね」
 まさにというのです。
「日本のね」
「挨拶だね」
「そうだよ、しかしそんなに貰っているんだ」
「我が国はいいダイヤの鉱山があるから」
「ダイヤを贈ることは」
「何でもないことで皇室の方にもね」 
 日本のこのお家にもというのです。
「僕が日本でお世話になっているから」
「贈らせてもらったんだね」
「僕達にとってはささやかな贈りものだったよ」
「そうだったんだ」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「宮内庁から公にお礼の言葉が来たし」
「それは日本の宮内庁としてもね」
「当然のことなんだ」
「そうだよ」
「そうなんだね」
「そして王子ひいては王子の国が皇室に礼を尽くした」
 このことはというのです。
「日本の多くの人が見て」
「そしてだね」
「贈りものをしているんだ」
「成程ね」
「王子もお国も立派なことをしたよ」
「本当に何でもないことだよ」
「いや、凄いことだったんだよ」
 先生はとき卵に入れたすき焼きを食べつつお話しました。
「これがね」
「そうなんだね」
「そしてね」
「そして?」
「このお肉は本当に美味しいね」
 先生は今度はこちらのお話をしました。 
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