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ドリトル先生と牛女

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第一幕その四

「その彼女ともね」
「お会いしてだね」
「お友達になる」
「先生はそう考えているんだ」
「僕は人間も生きものの妖怪も同じだと考えているからね」 
 これが先生の思想の特徴です、勿論人間の中の人種や宗教民族や文化の違いもあるにしても人間は同じだと考えています。
「だからね」
「それでだね」
「お静さんとも普通にお話してるし」
「姫路城のお姫様ともお付き合いがあるんだね」
「他の妖怪の人達とも」
「狐君や狸君達ともね」
 彼等ともというのです。
「そうしているね」
「ああ、そうだね」
「日本って普通に狐や狸が化けるけれどね」
「動物と妖怪の境目って曖昧だけれど」
「先生はお付き合いしているね」
「化けたり妖術を使う生きものは変化というね」
 日本ではです。
「そうだね」
「そうそう」
「そう呼ぶね」
「そうだよね」
「日本ではね」
「そして妖怪変化という言葉通りにね」
 先生は皆にこの言葉も出してお話します。
「同じものと考えられているよ」
「妖怪と化ける動物は」
「一緒だね」
「動物でも妖怪と同じだね」
「化けると」
「だからね」
 それでというのです。
「僕は彼等ともね」
「お友達になれるんだね」
「化ける動物とも」
「そういうことだね」
「お静さんにしても」
 猫又である彼女のお話もします。
「猫だね」
「そうそう、猫が長生きした」
「五十年以上生きたんだよね」
「だから猫だね」
「尻尾が二本あって化けても」
「猫だね」
「妖怪ではあるけれど」
 それでもというのです。
「猫かっていうとね」
「猫だね」
「このことは変わらないね」
「そうだね」
「日本では生きものが長生きすると」
 先生は日本のそのお話をさらにします。
「妖怪になるからね」
「色々な生きものがね」
「そうなるね」
「そういえばものもなるね」
「日本ではね」
「付喪神だね、ものも長く使っていると心を持って」
 そしてというのです。
「顔や手足が出て動いたりするよ」
「喋ったりね」
「日本ではよくあるね」
「ものでもそうだね」
「この国では」
「森羅万象に神様がいて」
 それぞれのものにです。
「そして生きものもものもね」
「何でもだね」
「歳を経ると化けたりする」
「そうしたお国柄なんだね」
「それが日本だね」
「いや、そうしたことでも面白い国だよ」 
 先生の今の口調はしみじみとしたものでした。 
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