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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その八

「部内の士官試験と同じ位なんだよ」
「最初からですか」
「そうだよ、もう部内で士官になれるだけの頭持ってる奴を入隊させてるんだよ」
「それが下士官候補生ですか」
「オムダーマン軍でもそうだしな」
「他の軍隊もですね」
「そうだよ、特に連合は凄いらしいな」
 この国の軍隊はというのだ。
「下士官候補生で入るとな」
「同じ様に昇進していって」
「もうオムダーマン軍以上に確実にな」
「部内士官になるんですか」
「そうなってるらしいな」 
 こちらの軍はというのだ。
「あそこの軍隊は」
「オムダーマン軍以上に入り口社会なんですね」
「俺達は武勲挙げたら認められるだろ」
「はい」
 その通りだとだ、ハルークはアブクールに答えた。
「サハラは」
「それがな、連合はな」
「戦争があってもですか」
「軍隊は入り口社会でな」
「どの課程で入るかで、ですね」
「もう俺達一般なんてな」
 連合は中央政府軍も各国軍も徴兵制がない、それで完全に志願制なのだ。
「部内士官とかな」
「合格しないですか」
「そうみたいだな、こっちは武勲挙げたら士官にもなれるぜ」
「けれど連合軍では」
「戦争自体がなくてな」
「エウロパ戦役とこの前の大規模な海賊征伐は」
 ハルークはこの二つを挙げた。
「その時は」
「武勲を挙げたくてもな」
 それでもというのだ。
「そもそもな」
「そうした時がですか」
「少ないんだよ」
「こっちに比べて」
「ずっとな、だからな」
 武勲を挙げる機会、それ自体がなくてというのだ。
「一般の昇進は遅いらしいな」
「そうなんですね」
「というか一般イコール下士官だよ」
 連合ではというのだ。
「数も多く採ってな」
「それで他の課程がですね」
「士官になるんだよ」
 そうなっていくというのだ。
「あっちはな」
「そこははっきりしてますか」
「それ込みでの課程だからな」
 連合の下士官候補生はというのだ。
「なったら大佐まではなれるそうだな」
「大佐ですか」
「そこまでな」
「こっちじゃとてもですね」
「無理だよな」
「はい、士官学校か大学を出ていないと」
 そうした者でないと、というのだ。
「大佐なんて」
「なれないな」
「一般だと部内で士官になってもでしたね」
「大尉が限界だよ」
 高校を出てそれでならというのだ。
「それ止まりだよ」
「そうですよね」
「士官にはなれてもな」
 それでもというのだ。
「大尉止まりだよ」
「佐官にはなれないですよね」
「けれど連合じゃな」
「下士官候補生で入ると確実に士官で」
「二年で伍長になって四年か十八歳で入隊だったら二十五歳になったらな」
 その時でというのだ。 
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