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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その三十四

「ですから」
「それで、ですね」
「その野心があまりにも強く」
「それで、ですね」
「あの方は」
「連合では一国の主となられ」
 そうしてというのだ。
「その国を大きくされようとするでしょう」
「それではです」
「連合においても」
 マクレーンと劉が言ってきた。
「謀略を使われ」
「そしてでしょうか」
「権力の階段を登られ」
「多くの政敵を消していかれるのでしょうか」
 サハラでそうしてきた様にというのだ。
「そうされると困りますが」
「連合としましては」
「サハラではともかくです」
「連合ではそこまでするとやり過ぎです」
 連合でも陰謀は渦巻いている、一国の中の権力闘争も他国間同士でも中央政府と他国政府の間でもだ、政府と他の組織との間でもあれば組織同士でもある。
 しかしだ、二人はこう言うのだった。
「それでもです」
「買収やスキャンダルのリーク等はありますが」
「しかしです」
「命を奪うまでは」
「それはないでしょう」
 八条は危惧する二人に答えた。
「シャイターン主席も」
「そこまではされない」
「シャイターン主席も」
「シャイターン主席は必要な手段を取られる方です」
 その状況によってというのだ。
「確かに手段は選ばれませんが」
「徹底したマキャベリストですね」
「あの方は」
「まさに目的の為には手段を選ばれない」
「そうした方ですね」
「はい、ですが」
 それでもというのだ。
「既に国家元首、王ならです」
「特にですね」
「あの方はですね」
「謀略を用いられない」
「既に至高の座にあるなら」
「そして建国当初は内政に専念するものです」 
 外交を行ってもまずは関係の構築である、新国家は外交も一からそれこそ挨拶からはじめるものであるのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「あの方はですね」
「謀略は用いられず」
「内政に力を注がれますか」
「そうなります、他国との交渉を有利に進める為の謀略も」
 それを使うことはシャイターンでは常であるがだ。
「挨拶と関係の構築位では」
「謀略もないですね」
「使うまでもないですね」
「特に」
「そうしたものですね」
「ですから」
 まさにというのだ。
「その心配もありません」
「あの様なですね」
「サハラでのこれまでの様な」
「ああした連合ではどうかという謀略も」
「されないですか」
「そうなります、敵に回すと剣呑な方ですが」
 八条が見てもだ。
「連合の中ではです」
「特にですね」
「困ることはない」
「謀略を使われないと」
「特にですね」
「はい、ですから」 
 それでというのだ。 
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