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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その三十三

「果たしてどうなるかわかりませんが」
「物資の方はですね」
「既に動いていてです」
「備えられていますね」
「双方、補給は忘れていません」
「正直なところです」
 またコアトルが言ってきた。
「双方共補給はかなり充実しています」
「補給なくして戦争は出来ない」
「その摂理を忠実に守っています」
「そうですか、ではです」
 八条はコアトルのその話を聞いて言った。
「お二方はどちらもただの戦術家ではなく」
「補給のことも考えている」
「戦略家ですね」
「そうですね、やはり」
「では連合に入られても」
 敗れた方がだ。
「一角の方になるでしょう」
「連合においても」
「間違いなく」
「そうですか」
「はい、そして」
 さらに話す八条だった。
「アッディーン大統領が入られたら」
「あの方ならですね」
「どうされるか」
「それはですね」
「あの方は野心は希薄です」
 八条は既にこのことを見抜いていた、彼と会った時にだ。
「ですから」
「連合に入られても」
「それでも」
「国家元首等にはですか」
「ならない」
「そうなのですね」
「そうなるでしょう、一軍の将として」
 その立場でというのだ。
「満足されるでしょう」
「義勇軍の元帥ですか」
「総司令官ですか」
「その立場で、ですか」
「終わるかと」
 国家元首の資質はあってもというのだ、この資質は既にオムダーマンの大統領として全人類に見せている。
「あの方は、しかし」
「もう一方のシャイターン主席は」
「あの御仁はですね」
「野心が非常に強い」
「そうした方ですね」
「だからです、連合に入られたら」
 シャイターンはどうかというと。
「一軍の将はで到底満足されず」
「さらに上を目指されますね」
「軍の将以上のものを」
「つまりそれは」
「国の主です」
 それだとだ、八条は言った。
「難民達の国であるサハラ連邦の国家ではなく」
「新国家ですか?」
 コアトルが言ってきた。
「まさかと思いますが」
「おそらくは」
「新国家を興されて」
「そしてです」
「新国家の主としてですか」
「大きなことをされるでしょう」
 シャイターンは連合に入ればというのだ。
「そこに新たな野心を見出される筈です」
「左様ですか」
「一国の主にですかl
「再びなられようとされますか」
「あの方ならば」
「シャイターン主席の野心は強くそして容易に消えるものではありません」
 八条はシャイターンとも会っている、彼が連合諸国を歴訪した時に。それで彼の野心も見ていて今言えるのだ。 
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