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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その三十五

「あの方は心配無用です」
「連合に入られると」
「特にですね」
「心配はいらない」
「そうですね」
「そうです、あの方は内政もです」
 そちらに専念してもというのだ。
「非常に優れていますので」
「その新国家をですか」
「必ずですね」
「豊かな国にされる」
「そうされますか」
「そうなります、少なくともあの方が国家元首であられる間は」 
 連合に入ってもというのだ。
「建国と土台の構築に全力を注がれ」
「謀略は使われない」
「そうした時ではないのですね」
「では安心していい」
「そうなのですね」
「そう思います、そしてあの方の夢を果たされるでしょう」
 例えサハラを統一し皇帝になりそのサハラを治めるという意味を適えられずともというのだ、シャイターンは。
「豊かな国を築かれるでしょう」
「ただ統一し皇帝になることが望みではない」
 バールが言ってきた。
「権力だけではないのですね」
「あの方は非常に器の大きな方なので」
「権力に留まらず」
「ご自身が治められる国はです」
 その国はというと。
「豊かにされたいのです」
「国の主となられれば」
「非常に野心の大きな方なので」
 だからだというのだ。
「権力だけではです」
「望みは充分ではない」
「さらにです」
「国を豊かにされる」
「それを目指されます」
 それがシャイターンだというのだ。
「連合においても」
「そうなりますか」
「ですから連合ではです」
「あの方は謀略家ではなくですね」
「立派な国家元首として名を残されるでしょう」
「そうなりますか」
「本質は全く変わらずに」
 シャイターンのそれはだ。
「そうなられます」
「連合だと名政治家ですか」
「建国しその国を発展させる」
「そうした政治家になられますか」
「国家元首として」
「はい、乱世では梟雄でも」
 そう言われる様な人物でもというのだ。
「平時ならばです」
「偉大な政治家ですか」
「そうなられる方ですか」
「そうです、乱世のサハラだからああなられているのです」
 謀略も厭わない梟雄になっているというのだ。
「ですが平時なら」
「連合の様にですね」
「平和な社会なら」
「ああした謀略を使われることもなく」
「ごく普通に名政治家となられる」
「そうなのですか」
「そうしてその国をかなりの国にされるでしょう」
 その政治によってというのだ。
「建国も果たされ」
「建国でも大変なことですが」
「連合においても」
 ただ人を集めて中央政府に建国を承認してもらうだけではないのだ、連合では国家の領地は少なくとも一星系は必要だとされている、そして領土を確保することだけでなく統治システムを定めていかないといけないからだ。 
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