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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その三十二

「相手も思い止まります」
「ではですね」
「サハラが戦争に入ったこの時にもですね」
「防衛ラインを整える」
「そうしてもいきますか」
「そうしていきます、それではです」
 バールを見てだ、八条は彼に話した。
「防衛計画はこのままです」
「進めていくことですね」
「その様にお願いします」
 こうバールに話した。
「あの戦争が何時終わるかわかりませんが」
「その間にですね」
「防衛ラインと整えましょう」
「それでなのですが」
 後方支持部長のコアトルが言ってきた。
「今現在のサハラですが」
「どういった状況かですね」
「補給を見ていますと」
 後方支持部長らしくそこから見ている言葉だった。
「双方共かなり活発ですが特にオムダーマン軍がです」
「バグダートから盛んにですね」
「輸送艦隊を送っています」
「攻勢に備えてですね」
「そう思います、そして」
「そしてですか」
「何かあれば」
 状況が動けばというのだ。
「即座にです」
「攻勢に出る備えをですね」
「物資や整備の面からもです」
「整えていますか」
「そう思います、そしてです」
 さらに話すコアトルだった。
「その物資の量を見ますと」
「国境からですね」
「一気にティムールの首都サマルカンドまで」
「進撃する考えがですね」
「予測されましたが」
「それはその通りでしょう」
 コアトルの読み通りだとだ、八条は彼に答えた。
「戦争は長期化させるものではありません」
「はじめたならですね」
「一気にです」
「短期で終わらせる」
「そうしたものなので」
 だからだというのだ。
「オムダーマンもです」
「備えをしているのですね」
「そうだと思います」
 こうコアトルに話した。
「オムダーマンは、ですが」
「あくまでオムダーマンの考えで」
「ティムールはティムールの考えがあります」
 この国にはこの国のというのだ。
「ですから」
「そうそう容易にはですね」
「進まないです」 
 そうしたものだというのだ。
「戦争はそうしたものですね」
「一方の思惑通りにはいかない」
「双方の思惑があるので」
「どうしても」
「どうもティムール側も」
 リバーグも言ってきた。
「攻め込むだけの物資をです」
「動かしていますね」
「はい、守りきり」
 そしてというのだ。
「それからです」
「攻め込む」
「そう考えています」
 彼等は彼等でというのだ。
「どちらも短期決戦を考えていて」
「既に物資はですね」
「送っています」
 前線の方にというのだ。 
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