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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その二十九

「国家元首ではない」
「そういえばです」
 文官の一人が言ってきた。
「古代中国では王はまず治水でしたね」
「黄河のな」
「黄河の治水、水害をですね」
「どうするかが最大の務めだった」 
 このことは尭や舜、そして夏の禹王もである。古代中国の治世はまさに治水つまり災害をどうするかからだったのだ。
「まさにな、そしてだ」
「そのことはですね」
「今もですね」
「だからですね」
「閣下もまた」
 文官達も話した。
「災害は放置しない」
「そうなのですね」
「そうだ」 
 その通りだとだ、シャイターンは答えた。
「そうする、だから極めて深刻な災害が起これば」
「戦争中であっても」
「それでもですね」
「そちらへの対策を行う」
「そうされるのですね」
「そうする、災害への対策を怠った国家元首なぞ意味はない」
 存在する価値がないというのだ。
「だからその際は即座に私に知らせるのだ、知らせればだ」
「すぐにですね」
「被災地に赴かれ」
「救済活動を行われる」
「そちらの政治を行われますか」
「そしてそれが終わり次第だ」
 そうしてからだというのだ。
「戦場に戻る、戦争で勝ててもだ」
「災害に対応出来なくてはですね」
「政治家ではない」
「ましてや国家元首ではない」
「そうなのですね」
「その通りだ、ましてやそれをパフォーマンスに使うなぞだ」
 二十一世紀初頭の日本で実際にあったことだ、この時首相だったある輩は震災が起こった瞬間にそれまで自国の国民を拉致していた工作員に金を渡していたことを追求されていたことが消えたことに喜んだうえに原発まで震災でダメージを受けていて緊急処置が必要だった時にその原発に視察にいき対応を滞らせて事故を起こさせた。このことは千年後の今でも政治家として最低最悪の所業として歴史に残っている。
「あってはならない」
「絶対にですね」
「政治家としても国家元首としても」
「ましてや人間としてもですね」
「私は目的の為には手段を選ばないが」 
 謀略も厭わない、それがシャイターンだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「主席はそうしたことは決してされませんね」
「絶対に」
「何があろうとも」
「私は誇りがある」
 それが備わっているというのだ。
「だからだ」
「その様なことはされないですね」
「決して」
「それは恥ずべきこと」
「政治家としてですね」
「そして人としてもな」
 だからこそというのだ。
「しない」
「何があろうとも」
「その輩は己の悪事を隠す為に以後急に原発反対を言い出したそうですが」
「それまで言わなかったというのに」
「しかも首相の座に汲々としたとか」
 近いうちに辞任すると言って数ヶ月も居座りその間震災への対応もなおざりだった、このことも歴史に残っている。日本の歴史上において非常に卑しく下劣で卑怯な人格の持ち主だと汚物の様に言われている。 
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