| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百八十二話 変更された朝食その五

 動きが止まった、それでこう言った。
「これは」
「辛いわね」
「こんなに辛いなんて」
 レミに汗を流しつつ言った。
「思わなかったよ」
「ええ、激辛どころじゃないわね」
「上に超が三つ位つくよ」
「そこまでの辛さね」
「けれど」
 一口食べた後でこうも言った。
「確かに辛いけれど」
「その辛さは一瞬でね」
「すぐに消えるね」
「それでまたね」
 あらためてというのだ。
「食べたくなるね」
「そうね」
「食欲を刺激されて」
 そのあまりもの辛さがというのだ。
「これは美味しいよ」
「そうよね」
「マウリアの辛さかな」 
 ベンもそのカレーを食べつつ言った。
「これは」
「そうだな」
 洪童はベンに答えた。
「この辛さは」
「そうだよね」
「恐ろしいまでに辛いが」
 それでもというのだ。
「それは一瞬でな」
「それで食欲を刺激される」
「そうした辛さだ、これはだ」
「マウリア料理の辛さだね」
「カリーのな」
「カレーの辛さってね」
 ベンも言う。
「やっぱり一瞬なのがね」
「いいな」
「残る様な辛さは」
 それはというと。
「そうしたカレーもあるけれど」
「どちらかというとな」
「すぐに消えるカレーの方がいいかもね」
「辛さがな、韓国料理の辛さは残るが」
 それでもというのだ。
「韓国料理は韓国料理だ」
「カレーはカレーだね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「その辛さがある」
「そうだね」
「この辛さはいい」
「どんどん食べられるね」
「そういえばな」
 フックも言ってきた。
「今はチキンカレーだが」
「それがどうかしたの?」
「だからマウリアだろ」
 フックはマルティに返した。
「マウリアは牛肉食べないだろ」
「ああ、そのことだね」
「だからチキンカレーなんだな」
「セーラが言ったんだったね」
「作ってくれたのもな」
 正確に言えばセーラに仕えているシェフが作ったのだ。
「そうだよ」
「だったらな」
「ビーフカレーはないね」
「チキンカレーになるな」
「そうなるね」
「やっぱり牛はね」
 レミも言う、見ればカレーの辛さに汗をかいている。その汗を拭きつつそのうえでカレーを食べ続けている。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧