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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その二十三

「そしてスライマーンもだ」
「偉大でしたね」
「偉大な魔術師にして君主でした」
「死すその時までサハラを治めていた」
「完璧なまでに」
 ジン達を使役してだ、だがシャイターンはスライマーンについてこうも言った。
「私はジンは使えないがな」
「このことはスライマーンとは違いますね」
「どうしても」
「残念ながら」
「ジンは実在する」
 こう言える根拠はコーランにある、ジンはコーランに出ているがコーランに誤りなぞ一切書かれてはいないからだ。
「だが、だ」
「閣下はですね」
「ジンはお使いになられない」
「そうしたことは出来ないのですね」
「私はスライマーン以上の政治家だが魔術師ではない」
 そこはスライマーンとは違うというのだ。
「魔術ではなく武略でサハラを統一するからだ」
「そして政治で治める」
「そうされるからですね」
「魔術ではなくですね」
「ジンを使役されず」
「武略で戦い勝たれ」
「そしてサハラを統一されて」
「そのうえでだ」
 まさにというのだ。
「皇帝としてこの国を治めるつもりだからな」
「それで、ですね」
「今もですね」
「サハラの統一を目指されている」
「そういうことですね」
「そうなのだ、あの預言書から全てははじまった」
 シャイターンはこの話に戻した。
「そして今だ」
「その預言が成就される」
「サハラは統一される」
「そうなりますね」
「そうなる、その戦いがはじまる」
 これよりというのだ。
「永遠の戦いがな、そして勝つのはだ」
「閣下ですね」
「このことは決まっている」
「既にですね」
「私はこれまで負けたことはない」
 己の不敗も言うのだった。
「イスカンダルもそうだったな」
「はい、その生涯の間多くの戦いを経てきました」
「そうして地の果てまで進みました」
「その間一度も敗れてはいません」
「まさに真の英雄でした」
「そうだ、そして私もだ」
 シャイターンもというのだ。
「不敗だ、アッディーン大統領が相手でもだ」
「決してですね」
「敗れはしない」
「そしてあの御仁にですね」
「勝たれますね」
「彼に勝てる者は銀河で、いや人類の歴史で二人だけだ」
 まさにその域の人物だというのだ、アッディーンは。
「一人はそのイスカンダル、そしてだ」
「もうお一人がですね」
「閣下ですね」
「彼の戦い方も把握している」
 アッディーンのそれもというのだ。
「ならばだ」
「その戦い方の裏をかかれ」
「そうされてですね」
「勝たれる」
「そうされますね」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。 
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