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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その十八

「人ならばだ」
「アッラーの下にあり」
「そしてですね」
「法律の下にもある」
「人だからこそ」
「それを忘れること程愚かなことはない」
 自分を絶対者と思うことはというのだ、皇帝であっても。
「そうはなりたくないしなってはだ」
「どうにもなりませんね」
「人として」
「だからこそですね」
「閣下もそのことを肝に銘じられて」
「皇帝になられても」
「人であることは忘れない、皇帝は人だ」
 あくまでというのだ。
「そしてだ」
「その皇帝が治める統一されたサハラを築く為に」
「これからですね」
「戦争ですね」
「その時になっていますね」
「間もなくな、国境までほんの僅かな距離だ」
「遂にですね」
「そこまで来ましたね」
「ではですね」
「国境に着けば」
「宣戦布告ですね」
「いい文章だ」
 その宣戦布告文はというのだ。
「これまでオムダーマンは数多くの戦争を行いだ」
「宣戦布告を行ってきました」
「されたこともありますが」
「今はですね」
「行う立場ですね」
「ティムールもそうするでしょうが」
「その文章の中でもだ」
 特にというのだ。
「いい文章だ、この文章は歴史に残る」
「サハラを統一する戦争として」
「残りますね」
「そしてサハラはですね」
「統一されますね」
「千年の動乱が終わります」
「千年、連合やマウリアがそれだけの泰平の中にいる間にだ」
 とはいっても両国も数多くの海賊やテロリストとの戦闘があった。流れた血が零だったかというとそうではないのだ。
「我々は常に戦乱の中にあった」
「そうでしたね」
「長い間戦争が起こっていない日はありませんでした」
「サハラの中で」
「そうした状況でした」
「戦国時代とも言われていた」
 連合等他の国々からだ。
「内戦も多く海賊も多くな」
「そうしてでしたね」
「何かとでしたね」
「犠牲も多かったです」
「暴動も頻発していました」
 戦争や貧困、飢餓に耐えかねてだ、暴動は連合でもエウロパでも起こっていたがサハラでは桁違いに多かったのだ。
「そして惑星への無差別攻撃もあり」
「民間人への攻撃もよくありました」
「そうした不貞の輩もいました」
「その戦乱が終わる」
「いよいよですね」
「そして我々も平和を迎える」
「そうなりますね」
 幕僚達も口々に言ってきた。
「千年の歴史もですね」
「終わりますね」
「それが遂に」
「そして平和を手に入れるのですね」
「我々も遂に」
「そう思うと何としてもだ」
 絶対にというのだ。
「統一したならだ」
「その統一はですね」
「維持しなければならない」
 ガルシャースプに答えた。 
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