星河の覇皇

「優秀な者は誰でもだ」
「閣僚になれる」
「そして首相にも」
「その様にされますか」
「こだわりませんか」
「そう考えている、連合は現役の武官や文官は閣僚にはなれない」
　選挙を経て議員になっているか一般市民になっている者を任命するかだ。一般市民といっても学者や経営者等立場がある者、政治の知識のある者が任命されるがだ。
「憲法でも明記されている」
「議院内閣制、文民統治ですね」
「そうした考えに則りですね」
「政治家と官僚の区分は厳密ですね」
「そこは違う、優秀であればな」
　また言うアッディ―ンだった。
「首相にもなるべきだ」
「官僚でもですね」
「つまり文武の官吏達も」
「優れていれば官僚になる」
「そうあるべきですね」
「各星系の知事達も選挙で選ばれるが」
　このことはオムダーマンもだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「知事の権限はあってもですね」
「中央に権限が強い」
「そうした国にしていきますね」
「国家を一つにしてだ」
　そのうえでというのだ。
「中央の強い権限で国政を行いだ」
「国家を一気に発展させる」
「それも全域を」
「そして強くなっていき」
「もう攻められない様になりますね」
「強いサハラにしますね」
「統一されてもサハラの国力は低い」
　アッディーンはこの現実を指摘した。
「他国に比べてな」
「はい、どうしてもですね」
「サハラは貧しいです」
「戦乱の結果です」
「国力は低いままです」
　千年の戦乱、その傷跡は大きくそして深いというのだ。
「ですから」
「旧ハサン王国領はともかくとしてです」
「あの国は戦乱とは無縁で連合との関係も深かったので」
「豊かなままですが」
「しかしだな」
　あらためて言うアッディーンだった。
「他の地域はな」
「はい、実にです」
「貧しいものです」
「西方も南方も北方も」
「戦乱のせいで」
「産業の育成も遅れている」
　アッディーンも苦い顔で言う。
「だからだ」
「統一の後はですね」
「発展に専念する」
「そうしていきますね」
「その後は」
「そうだ、軍需産業も民間に移転させな」
　そうしたことも進めていってというのだ。
「発展させていく、統一の後でな」
「ですね、ではです」
「これから国境に着けば」
「それと同時に宣戦布告を行われますね」
「その文章を読まれ」
「そうする、そしてティムール軍だが」
　アッディーンはこの軍のことにも言及した。