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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その四十八

「そうしていくべきだ、四国の力関係をだ」
「連合が極端に大きくなっていますが」
「それをですね」
「大きく縮めていく」
「連合と各国のそれを」
「そうしていく、あの国は人類の総生産の殆どを占めている」
 人口は八割五分以上でだ。
「普通の統計で百五分のうちの百分でだ」
「副主席が見た統計ではですね」
「さらにですね」
「連合はエウロパの五百倍」
「マウリアの二百倍ですから」
「サハラとはそれ以上ですから」
「そこまで開いているからだ」
 ジャバルの見立てではだ。
「その差を縮めていくべきだ」
「考えてみればあの繁栄ぶりはそうですね」
「我々やエウロパなぞ比べものにならないです」
「数百倍の国力差も頷けます」
「貧民層でも相当に豊かに暮らしています」
「スラム街の家々もだ」
 連合ではというのだ。
「実にいいものだな」
「中にある生活用品もですね」
「そして持っているものも」
「全て見事なものですね」
「連合はスラム街ですら」
「その贅沢さはだ」
 そう思うと、というのだ。
「我々の貧困層なぞ比べものにならないな」
「下着を持っている数も多く」
「その質もいいです」
「まるでソ連のプロパガンダです」
 ソ連がアメリカの資本主義を批判するプロパガンダ映画を作りスラム街を映した時にスラム街にかけられている下着の数を見てソ連の人民達はアメリカはスラム街の人間もあそこまで下着を多く持っているのかと驚いた話がある、そのことだ。
「あの国は」
「非常に豊かですね」
「富裕層に至っては驚くまでです」
「我がマウリアではマハラジャが有名ですが」
「その富裕層の数が違います」
「連合全体で何処までいるのか」
 そこまで多いというのだ、その富裕層にしても。
「確かに貧富の差はありますがそのレベルが違います」
「他の国々より遥かに上です」
「市民の生活も企業の資本も政府の予算も」
「その全てが」
「そうしたものを見ますと」
「数百倍の国力差も」
「あるな、だがその差を縮める」
 これからのマウリアはというのだ。
「他国もな、連合はこのままさらに豊かになるが」
「我々もですね」
「今以上にですね」
「豊かになる」
「そうなっていきますね」
「そうしていく、では食事の後で夜はだ」
 それからの予定も話したジャバルだった。
「主席の下に再び赴きだ」
「我々の政策を提出する」
「そのプランを」
「そうされますね」
「そうする、そして今日も予定通りに仕事を行う」
 深夜までだ、真夜中まで仕事をして日の出と共に起きるのが彼の日常の生活となっている。途中健康の為に運動も忘れてはいない。
「そうしていく、いいな」
「はい、ではです」
「我々もです」
「各自の仕事に励みます」
「そうしていきます」
「その様にな、豊かになるには働くことだ」 
 まずはというのだ。
「勤労、勤勉こそが富裕を形成する」
「ならばですね」
「我々が率先して働く」
「そしてマウリア全体が働き」
「豊かになっていくのですね」
「そういうことだ、ではいつも通り働こう」
 こう言ってだった、ジャバルは食事の後すぐに働いた。そうして彼の目指すマウリアの理想を実現させんとするのだった。 
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