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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その四十六

「どうもな、ハンバーガーも牛肉だ」
「アメリカの料理ですね」
「あちらも牛肉ですね」
「牛から余った肉を挽き肉にするそうですね」
「そうして食べていますね」
「あちらではそうだ」
 アメリカひいては連合全体でというのだ。
「牛肉のハンバーグが主流だ」
「そこがマウリアでは無理ですね」
「どうしても」
「我々は牛肉は食べません」
「ヒンズー教徒もシーク教徒も」
 マウリアの人工の八十パーセントを占めるヒンズー教徒達はというのだ、他にも様々な宗教が存在しているがこの宗教が主流なのは事実だ。
「ですから完全に取り入れることは出来ないですね」
「連合風のカリーを口にして」
「それだけは」
「ステーキもだ」
 連合だけでなくエウロパでも食べられているこの料理もというのだ。
「連合、そしてマウリアでも主流は牛肉だな」
「はい、そちらもですね」
「やはり牛肉ですね」
「牛肉のステーキが主流ですね」
「豚や羊、鶏もありますが」
「連合では恐竜や鯨のステーキも食べますが」
 他にはステラーカイギュウのステーキもある。
「やはり牛肉が主流ですね」
「ステーキにしても」
「水牛ではなくな」
 ヒンズー教では水牛は食べてもいいのだ、同じウシ科でもあくまで神聖な生きものは牛なのだ。尚マウリアでは牛を殴ると傷害罪となり殺すと殺人罪ならぬ殺牛罪となり殺人罪に相当する重罪とされている。
「そちらのステーキだな」
「連合に行くと特に顕著だそうですね」
「牛のステーキをよく食べているそうですね」
「特にアルゼンチンがそうらしいですね」
「あの国は特に食べているとか」
「私はアルゼンチンにも行ったがそうだった」
 実際にというのだ。
「アルゼンチンではよく牛肉を食べていた」
「やはりそうですか」
「アルゼンチンは牛肉ですか」
「噂では聞いていましたが」
「あの国は牛肉をよく食べるのですね」
「我々がカリーを食べるのよりはましだろうが」
 マウリアではカリーが料理と言っていい、少なくともカリー味の料理がマウリアの料理の殆どと言っていい。
「あの国は本当によく食べていた」
「我がマウリアと違い」
「連合自体がそうですね」
「ですから連合の全てをありのまま取り入れられない」
「それは出来ないですね」
「牛を食べる者もマウリアにはいる」 
 このことは事実だとだ、ジャバルも認めた。
「ムスリムやキリスト教徒はいい」
「はい、そうです」
「マウリアには彼等も存在しています」
「確かにヒンズー教徒が主流ですが」
「彼等も存在しています」
「彼等は食べる」
 そしてマウリアに来ている外国人もだ、ヒンズー教徒は連合のインドネシアにも存在するが基本マウリア固有の宗教である。 
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