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レーヴァティン

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第百七十話 甲斐攻めその九

「武士の格好をしていたならな」
「わかりますね」
「伏兵でも」
「それでもですね」
「よく見張って警戒していれば」
「それで問題はないですね」
「そうだ、敵が来てもだ」
 その様に攻めてきてもというのだ。
「いいな」
「はい、常に警戒し」
「そしてですね」
「守りを固め」
「返り討ちにしますね」
「その様にする、そうしてだ」
 英雄はさらに話した。
「このまま甲府城に行ってだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「あの城を攻め落とす」
「そうしますね」
「それまでは警戒しつつだ、敵が来ればだ」
 その時はというのだ。
「いいな」
「退ける」
「少数で来ても」
「進軍中も守りを固め」
「そうしますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵の軍勢が来ればな」
「倒しますね」
「その時は」
「そうしますね」
「その様にする、そして甲斐でもだ」
 この国でもというのだ。
「いいな」
「はい、民や田畑には手を出さない」
「そうしますね」
「絶対に」
「それはしないですね」
「一切な、村や町もだ」 
 そうしたものもというのだ。
「城攻めでもないとな」
「焼かないですね」
「そうした時でもないと」
「そうしますね」
「これまで通りな」
 こう言うのだった。
「いいな」
「そうしていきます」
「そのこと守ります」
「一切奪わずです」
「手も出しません」
「そうすることだ」
 こう言いつつだった、英雄は兵を進ませた。懸念していたゲリラ戦術もなく甲斐を順調に進んでいった。
 だがその途中でだった。彼はその報を聞いて言った。
「そうか、甲府城からか」
「一万の敵が来ました」
「うって出てきました」
「その一万で我等に対するつもりです」
「どうやら」
「そうか、ならばだ」 
 英雄はその報を聞いて述べた。
「その敵軍をだ」
「破りますね」
「そうしますね」
「これから」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「出来ればな」
「その場で」
「戦場で」
「そこで、ですか」
「降る様に言ってだ」
 そうしてというのだ。
「実際にな」
「降らせますか」
「そうしますか」
「そしてですか」
「甲斐での戦を終わらせる」
「そうしますか」
「若し甲斐の主が自ら出陣していてだ」
 そうしてというのだ。 
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