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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その四十四

「しかしだ」
「それでもでしたね」
「そこまでのことで」
「むしろ略奪や虐殺、破壊の限りを尽くし」
「彼等の未開さを見せてしまいましたね」
「そして糾合したムスリム達にだ」
 彼等と比べて数も文明のレベルも上の彼等がだ。
「退けられたな」
「結果として」
「そうなってしまいましたね」
「そう思うとです」
「エウロパは昔に戻った」
「そうかも知れないですね」
「そうだ、大航海時代で力を蓄えてだ」
 そしてというのだ。
「産業革命から技術で世界を主導したが」
「それは第二次世界大戦で終わり」
「そしてですね」
「銀河の時代で連合に大きく後れを取った」
「この千年の間は」
「連合は惑星開発と開拓に邁進してだ」
 そうしてというのだ。
「その中で技術を発展させたな」
「はい、様々な技術を」
「千年の間」
「文化も発展させていきました」
「人口も国力も増え」
「無限のフロンティアを前にして」
「そうして巨大にもなった」
 確かに様々な勢力がその中にありまとまりはないがだ。
「東方世界の様にな」
「かつてのですね」
「イスラム世界や唐の様に」
「エウロパを圧倒している」
「そうなっていますね」
「そしてそれが本来の姿かも知れないですね」
「実は欧州がイスラム社会に優位に立っていたのは僅かな間だ」 
 ジャバルはここではイスラム社会を連合と一緒にして話していた。
「十字軍の一回の時とだ」
「十九世紀から二十一世紀まで」
「それ位ですね」
「その他は圧倒され続けている」
「イスラムが連合と変わっても」
「そうでしたね」
「常にイスラムに脅かされてきた」
「そうでしたね」
「アッバース朝にオスマン朝にだ」
 どちらもイスラムの世界帝国だ、特にオスマン=トルコは東欧のかなりの部分さえ手に入れてしまった。
「イスラム教徒が多くいたが決してムスリムではなかったモンゴルもな、むしろ連合は」
「モンゴル帝国ですね」
「あえて言うのならば」
「欧州を飲み込もうとさえした」
「あの空前の大帝国ですね」
「そうだ、それだけにエウロパを圧倒している」
 モンゴルの様に巨大な国だからだというのだ。
「人口も国力も技術も文化もな」
「その全てにおいてですね」
「まさにですね」
「圧倒していて」
「そしてですね」
「飲み込もうとしていますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そして我々はな」
「その連合からですね」
「多くのものを入れる」
「そしてそのうえで」
「我々も力を」
「あらゆる手段を用いてな、エウロパを発展させることもだ」
 それもというのだ。
「その一環でもあるからな」
「そうですね、ではですね」
「政策はそうして進めていく」
「外交もまた」
「そうしていきますね」
「そうしていく、では今から食事だが」
 ジャバルは今度は食事の話もした。 
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