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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その四十二

「国家を発展させる為にだ」
「多くの留学生を送り」
「そのうえで学んでもらう」
「そしてですね」
「連合から人を招くこともする」
「そのこともしていきますね」
「クラークという教師がいた」 
 この時代の日本でもよく知られている人物だ、新渡戸稲造の恩師でもあり少年よ大志を抱けの言葉で知られている。
「日本がアメリカから招いた人物だ」
「そのクラークの様な人物もですね」
「マウリアに多く招き」
「そして連合の優れたものを教えてもらう」
「そうしていきますね」
「その両方を行う」
 留学生を送るだけでなくだ。
「そうして発展させる、留学生はカーストを問わない」
「優れた者ならですね」
「誰でもですね」
「連合に送る」
「そうしていきますね」
「そうだ、アウトカーストでもだ」
 つまり彼等の様な者達でもというのだ。
「連合に送る」
「留学生として」
「そうして学んでもらう」
「それからこのマウリアに戻ってもらえば」
「発展に貢献してもらいますか」
「日本はそのことで発展したからな」
 留学生を送り優れた人材を招聘してだ。
「だからだ」
「是非ですね」
「我がマウリアもですね」
「日本に倣い」
「大規模に学んでいきますか」
「そうする、ただ我々はだ」 
 ここで目を鋭くさせて言ったジャバルだった。
「我々のものにするだけでない」
「必要に応じてですね」
「エウロパに送る」
「連合の優れた技術を」
「そうもしていきますね」
「勢力均衡の為にな」
 各国のそれのだ。
「そうしていく、だが思うことは」
「思うことといいますと」
「それは一体何でしょうか」
「何のことでしょうか」
「産業革命が起こったのはエウロパだった」
 ジャバルが今思うのはこのことだったのだ。
「イギリスから起こったな」
「機械の時代のはじまりでしたね」
「今の銀河の時代にもつながる」
「イギリスから欧州各国に広がった」
「そうでしたね」
「当時エウロパは世界の指導者だった」
 産業革命で低煎れた技術と豊かさによってそうなったのだ。
「まさに圧倒的だった」
「その通りでしたね」
「エウロパの国々はまさに」
「そうした立場にありましたね」
「そうだった、だが今はだ」
 この時代ではというと。
「彼等に侵略を受けて植民地とされていた連合がだ」
「技術で圧倒していますね」
「数百年の開きがありますね」
「完全に逆転しています」
「技術における関係は」
「そうなっている、それを思うとだ」 
 どうしてもというのだ。
「世の中はわからないな」
「千年以上前のことでありますが」
「それでもですね」
「関係が完全に逆転するとは」
「連合とエウロパで」
「日本はかつては彼等から学んだが」
 技術もシステムも文化も全てだ。 
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