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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その四十

「既得権益があると言ってだ」
「それが社会に悪影響を及ぼしている」
「特定の者達だけが利益を得ているだの閉鎖的だの言って」
「そしてですね」
「色々と主張しましたね」
「そうでしたね」
「そうだった」
 だが実は日本のマスコミこそが最大の既得権益層であったというオチがあった、彼等は自分達のそれには完全に頬かむりして世論を扇動していたのだ。
「だがマスコミもどうか」
「そこも考えてですね」
「改革は行うべきですね」
「マスコミも権益が持っていれば」
「そしてその主張の是非もですね」
「マスコミは嘘も言う」
 マスコミの言うことが全て真実であり正義なぞというのは最早迷信になっている、二十世紀とはそこが全く違う。
「それもよくな」
「そこも考えてですね」
「それで見極める」
「我等の計画の様に」
「そうだ、もうそうした権益はだ」
 マウリアにとって癌になる兼根来はというのだ。
「除去していく」
「そうしますね」
「マスコミのものでも」
「そうしていきますね」
「若し二十世紀の日本の様なことをすればだ」
 マスコミの権益が絶対の聖域となってはというのだ。
「マスコミの腐敗が進みだ」
「あの様になってしまいますね」
「実際に」
「当時の日本のマスコミの腐敗は相当でした」
「まるで中世のバチカンの様な」
「恐ろしい腐敗でしたね」
「幾ら偏向報道や意図的な虚報を流しても」
 そうしたことを臆面もなく繰り返してもだ。
「何の処罰もなくです」
「マスコミの腐敗だけが進み」
「そうしてでしたね」
「国民は長い間騙されてです」
「彼等に踊らされていましたね」
「あの時はテレビは特に強かった」
 読むだけでなく聞く、それだけにテレビが人に与える影響は大きい。そしてその影響の大きさがだったのだ。
「そしてその結果だ」
「日本の不況も長引きましたね」
「キャスターが連日連夜不況と言っていたので」
「そのせいで」
「そしてその不況を毎日言っていたキャスターがだ」
 それこそ毎日だ、一時間の間に一回は必ず言っていた位の頻度でだ。
「一年で一般市民の一生分の報酬を得ていた」
「途方もない額ですね」
「それで不況と言っていたとは」
「では自分は何なのか」
「そうなりますね」
「マスコミ栄えて国衰えるだった」
 当時の日本はというのだ。
「実際に不況は長引いた、だがな」
「そうしたことを考えますと」
「悪質な権益ならばですね」
「どういったものでも切除すべきですね」
「マウリアの為に」
「そのキャスターは何かが起こって日本の株価が下がると笑顔で言っていた」
 これは実際にあった話だ、当時の一般市民では想像も出来ないスポーツ選手でもスター選手でもそうは貰えない様な報酬を貰っていてだ、
「そうした男の権益を守ればどうなる」
「国家にとっていいことはありませんね」
「まさに何一つ」
「それではですね」
「そうした輩共の権益はですね」
「私は断固として除去するか完全に潰す」
 そうするというのだ。 
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