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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その三十九

「改善、発展の余地がある」
「我々は除外されていましたし」
「マウリアにいながらマウリア社会の外に」
「それも改善していかないとなりません」
「一千億に至るアウトカースト層の悲願です」
「それを適えましょう」
「そうだ、税制も改革してだ」
 そしてというのだ。
「マウリアの各社会にメスを入れてだ」
「既得権益もですね」
「それもマウリア全体のものとし」
「権益を持っている者達の利権や特権を廃していく」
「そうしていきますね」
「実に多くの権益があるが」
 マウリアの中にはというのだ。
「しかしだ」
「その多くがかなりの権益になっていて」
「閉鎖的になっている」
「しかしその権益をですね」
「破壊していき」
「そして国家のものにしていきますね」
「そうだ、流石に死ぬ様なものまでしないが」
 それでもというのだ。
「あまりにも社会にとって弊害になっているものはだ」
「取り除く」
「癌細胞にそうする様に」
「解決していきますね」
「そうして」
「そうだ、マウリアの身体にはだ」
 この国はどうかというと。
「実はだ」
「多くの権益という病があり」
「外科手術も必要である」
「そうした状況ですね」
「一つ一つは大した腫瘍ではない」
 そうした権益はというのだ。
「しかしだ」
「それが多くですね」
「そして腫瘍は放置してはならない」
「取り除いておかねば」
「後々マウリアを脅かしかねませんね」
「そうだ、腫瘍といって様々でだ」
 それでというのだ。
「悪性の腫瘍は即座に除きだ」
「またそうでもない腫瘍はですね」
「関係者が死なない程度には残す」
「そうしていきますね」
「一つの仕事の権益を完全に潰す」
 そうすると、というのだ。
「それはその仕事の関係者だけでなくだ」
「仕事に関わる他の社会にも影響を及ぼし」
「かなりの数の国民が不幸にもなる」
「だからですね」
「そこは加減ですね」
「劇薬、身体の病を急激に回復させるものを用いるとだ」
 今度は外科ではなく薬学の話だった。
「悪影響が出る場合もあるな」
「かつての抗癌剤等ですね」
「ああしたものですね」
 人類は既に癌を克服している、このこともまた全人類の平均寿命を延ばすことに貢献しているのは言うまでもない。
「あれは確かに癌を抑えましたが」
「人体への影響はありましたね」
「毛髪が抜ける等」
「それはかなりでしたね」
「そうなる場合もある、だから劇薬を用いる場合もあるが」
 そうした場合も政治的に必要と判断すればするというのだ。
「だがその際はだ」
「影響を考える」
「常にですね」
「そうすべきですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「さもないと使うものではないしだ」
「政治の改革もですね」
「広い視野で長期的に考えて行っていく」
「そうしていきますね」
「既得権益についても」
「かつてのマスコミはよく言っていた」
 特に二十世紀後半から二十一世紀初頭の日本のマスコミはだ。 
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