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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その三十

「文明を築いているのは我々と同じ人間か」
「類人猿から進化したな」
「ネアンデルタール人とクロマニョン人からの混血か」
 尚バスク人はクロマニョン人の血がかなり濃いと言われている、チェ=ゲバラの顔立ちはそのバスク人のものだという者もいる。
「そうであるとはです」
「限らないな」
「類人猿からの進化にしましても」
「チンパンジーかも知れないしな」
「ゴリラかも知れないです」
「むしろゴリラの方が人間に近いという話もあるしな」
「学者によっては」 
 人間とサル科の生物達の遺伝子を分析した結果である。
「そうですね」
「だとすればゴリラから進化してもおかしくないな」
「そうして文明が誕生することも」
「その場合非常に温和な種族になりそうだな」
 クリシュナータはここでこうも言った。
「ゴリラから進化したとなると」
「ゴリラは完全な菜食主義で」
「しかも非常に温和な生物だからな」
「外見は怖いですが」 
 それでキングコングという映画も作られている。
「しかしです」
「その実はな」
「非常に温和で」
「偉大なるガンジーの様にな」
「無抵抗で聡明です」
 この時代でもマウリア最大の偉人の一人とされているこの賢者と、というのだ。尚ガンジーは戦略独立の為のそれとして非暴力主義を採用した一面もあり宗教家であると共に政治家でもあったということの話にもなっている。
「ゴリラは」
「そう思うとな」
「ゴリラから進化した知的生命体の文明はですね」
「人間より平和かもな」
「人間は満ち足りていなければ」
「どうしてもな」
「争います」
 そうしたものだというのだ。
「ゴリラ以上に」
「ゴリラはそこまではいかないな」
「やはり食べものや住む場所の競争はするでしょうが」
「衝突も起こるな」
「それでもです」
「ゴリラは温和だ」
 森の賢者と呼ばれる程にだ。
「だからな」
「争いは遥かに少ないかも知れません」
「彼等の文明はな」
「あくまで仮定ですが、ただ文明を築くまでの種族はです」
 そこまで至ると、というのだ。
「生物の本能よりもです」
「文明という縛りにだな」
「かかってしまうかも知れません」
「法律や宗教の中にだな」
「入ってです」
 その本能もというのだ。
「ある程度画一化されてしまうかも知れません」
「文明という中にだな」
「文明はどうしても一定の類似性があります」
 それぞれ違う誕生の歴史があろうともというのだ。
「人類のそれがそうであった様に」
「四大文明も欧州も中南米もな」
「はい、文明が形成されれば」
「文明が発展してな」
「そうしてです」
「類似性が出て行くな」
「多少の相違があろうとも」
 文字の形態や宗教の位置等だ、こうしたものはそれぞれの文明がある場所の気候や外敵でそうなっていくのだ。 
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