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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その十八

「彼等は新天地を求めます」
「そしてその新天地をか」
「是非手に入れてもらいます」
「マウリアの為にだな」
「そうです」
 その通りという返事だった。
「私はそう考えています」
「エウロパが力をつけるとだな」
「それが連合と対立する力になり」
「その対立に我々が入られる」
「バランサーとして、これは何度かお話した通りで」
「私もよく認識していることだな」
「はい、エウロパに強くなってもらうには」
 まさにその為にはというのだ。
「新天地を手に入れてもらいます」
「そういうことだな」
「はい、エウロパ本土だけでは知れています」
 幾ら開発、開拓を行ってもというのだ。
「資源も居住区域も何もかもが」
「耕作地も工場の敷地もだな」
「あまりにも星系が少ないので」
「多くの新天地が必要か」
「はい、ですからエウロパのそれを助けます」
「だがエウロパが強くなり過ぎると」
 クリシュナータはあえてその場合について話した。
「それはそれでだ」
「産業革命から帝国主義の時代の様にですね」
「エウロパ一強の時代になるな」
「将来その可能性もあります」
 ジャバルはここでも可能性を話に出した、帝国主義時代から第二次世界大戦までの欧州各国が世界の中心であった時代が戻ることを。
「数百年、いや千年かかるかも知れませんが」
「しかしだな」
「その可能性はあります、ですが」
「その時はか」
「連合を助けます」
 そうするというのだ。
「そうしてです」
「バランスを取るか」
「そうすればいいのです」
「それがバランサーか」
「サハラに対しても」
 今後はこの国も入れて考えて政治をしていくというのだ。
「バランサーとしてです」
「一つの勢力が強過ぎない様にしていくか」
「ですからエウロパが強くなるのなら」 
 帝国主義時代の彼等の様にだ、世界を支配するまでに圧倒的な力を再び持ったその時はというのである。
「他の勢力にです」
「力を貸してか」
「強くなってもらい」
「バランスを取るか」
「そうしていきます、とかく今は連合です」
 この国だというのだ。
「我々と比べて統計によっては二百倍の力です」
「エウロパとは四百倍か」
「それだけありますので」 
 国力差がというのだ。
「幸い中央政府と各国政府、各国政府同士が争い」
「その中の多くの勢力もだな」
「争っていますので」
 つまり彼等の中で争いそれに終始しているからだというのだ。
「彼等の中で、ですから巨大でもです」
「まだいいな」
「外には向かわず力が分散されているので」
「だから連合はまだましだな」
「あれで一つにまとまり外に力がまとまっているのなら」
 その場合はというと。
「恐ろしいことになっていました」
「我々は全て飲み込まれていたな」
「連合の中に」
「そうなっていたな」
「幸い外国、外の世界にはほぼ関心のない国なので」 
 連合の昔からの性質だ、エウロパを敵視しているがそれでもそれ以外は他国には基本的にむか新なのだ。
「まだいいですが」
「若し外に向かっているとか」
「私もどうしていいかです」
「わからなかったか」
「はい、今は我々が発展し」
 連合の技術も盗んでだ。 
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