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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その十七

「それを考えますと」
「君でもそう思うな」
「地方政府の権限は守られるべきです」
 そこは絶対だというのだ。
「中央政府の権限は強めましても」
「それは程度だな」
「中央集権とまではいきません」
「マウリアには相応しくないな」
「そうです、どうしてもです」
 マウリアの情勢、国家の状況を見て言うのだった。
「統治システムや通信、交通や流通の状況を鑑みても」
「地方分権だな」
「それがマウリアには相応しいです」
「それ自体は変えずにいくか」
「それがいいかと。無理に中央集権体制にしましても」
 中央政府の権限をそこまで強めてもというのだ。
「統治に支障が出ます」
「それを避ける為にか」
「そして円滑な統治の為に」
 マウリアを的確に豊かにし発展させる為にというのだ。
「マウリアは地方分権です」
「各星系それぞれにある程度の権限を集めてだな」
「発展させることが大事です」
「そうなるな、ではその政策をだ」
「今夜出しますので」
「それで頼む、そしてエウロパだが」 
 クリシュナータは今度はこの国の話をした。
「ギルフォード総統は相変わらずだな」
「見事な政治を行いですね」
「復興を完全に果たした」
「二十年は立ち直れないと思っていましたが」
 ジャバルもそう見ていた、かつては。
「私は。あの総統殿が登場するまでは」
「それがな」
「はい、もうですね」
「復興を果たした、そしてだ」
「これからは発展に向かいますね」
「それをマウリアは助けるな」
「水面下で」
 あくまでそこからだ、連合の目を気にしてだ。
「そうしていきます」
「そうだな」
「そしてですが」
「さらにだな」
「連合と対立し続けてもらいましょう」
 こう言うのだった。
「これまで以上に」
「エウロパは我々、そしてサハラとは融和路線を歩むつもりの様ですが」
「連合とは違うな」
「確かに手を結ぶことも有り得ますが」
 先程の自分の言葉を思い出しながらの言葉だ。
「しかしです」
「基本は対立だな」
「そうなっていきます、新天地を求めるという考えもです」
「実現させてもらうか」
「大航海時代になるらば」
 エウロパが十五世紀以降のその時代になるならとうのだ。
「我々は大歓迎です」
「そして新天地から富を得てもらってだな」
「より強くなてもらいます」
「エウロパ本土だけでは限界がある」
 クリシュナータは残っているケーキを食べつつ話した。
「どうしてもな」
「連合や我々に比べると星系も少ないですし」
「開発、開拓の技術が進んでもな」
「それでもです」
「まだだな」
「足りません、ですから」
 エウロパはこの事情故にというのだ、自分達の星系の数の少なさもあってだ。 
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