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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その十六

「しかしだな」
「それがです」
「変わるか」
「連合の発展の速度が速くなりましたし」
 このこともあってというのだ。
「我々も力をつけてです」
「これまで通りバランサーとして動ける様になる為にもだな」
「発展しなければなりません」
「そしてエウロパ、サハラもか」
「さもないと連合がどうしようもなく巨大になり過ぎ」
 強大ではなかった、この場合は。
「手に負えなくなりますので」
「我々が只の連合の外国にならない為にもだな」
「力をつける必要があります」
「発展はただ豊かになるだけではないな」
「他国にも影響を及ぼします」
 強くなった国力がというのだ。
「ですから」
「技術も手に入れてか」
「積極的な発展政策に転じていきましょう」
「ではその主な政策がだ」
「私と私の同志達がですね」
「出せるな」
 ジャバルの目を見て彼に問うた。
「必ず」
「はい」
 即座にだ、ジャバルも答えた。
「お任せ下さい」
「ではな」
「既に考えていますし」
「国家戦略としてか」
「これからマウリアはどうあるべきか」 
 ジャバルは既にこのことについて熟考していた、若々しく端正なその顔を引き締めさせてクリシュナータに話した。
「そう考えていき」
「その中でか」
「政策も考えていましたので」
「だから出せるか」
「すぐにでも」
「ではその政策を見せてもらおう」
 クリシュナータはジャバルに微笑んで応えた。
「どういったものかな」
「では今日にでも」
「今日か」
「今日の夜閣下のところに持って来ましょうか」
 マウリアを発展させるその政策をというのだ。
「私のパソコンの中にもありますし」
「そうか、ではその政策をCDかUSBに入れてだ」
 そのうえでというのだ。
「私のところに持って来てくれ」
「それでは」
「その様にな、それは全体の政策だな」
「各星系を見ていますが」
 それでもというのだ。
「我がマウリアも地方政府の力が強いです」
「連合程ではないにしてもな」
「ですから」
「ある程度は地方政府に委ねられるな」
「そうなります、中央政府の権限の拡大も考えていますが」
 それでもというのだ。
「やはりです」
「地方政府のことも考慮しているな」
「そうしています」
「地方政府の権限は守らないとならない」
 それはとだ、クリシュナータはマウリアの国家システムの在り方についても話した。その地方政府が強いそれもだ。
「どうしてもな」
「そこはですね」
「マウリアの領土も広い」
 正確に言うと所有している星系の数がだ。
「一国では所有している星系は最大だ」
「連合各国のどの国よりも多いです」
 そしてエウロパ各国のだ、エウロパは中央集権国家だが中央政府の下に何十かの国家が存在しているのだ。
「そう考えますと」
「中央政府の権限を拡大してもな」
「限度があります」
「地方政府の権限は重要だな」
「広いので」
 所有している星系が多いからだというのだ。 
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