| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十五部第四章 慧眼その七

「そうなります」
「アナンタか」
「まさに」
「ではだな」
「はい、アナンタがこれ以上大きくなろうともです」
「我々が対せられる様になるか」
「そうします、しかも」
 ここでこうも言ったジャバルだった。
「必要とあらば連合の中をです」
「乱すか」
「そのことも考えています」
「工作によってか」
「はい、あの国は何しろ各国の権限が強く」
「国家以外にも様々な勢力がある」
「ですからまとまりにかけます」
 連合のこの弱点もはっきりとわかっているジャバルだった。
「そこを衝きます」
「アナンタは千の首がまとまっているがな」
「連合は違います」
「その千の首が互いにいがみ合う」
「そうした国ですから」
 神の頭や顔が多いのは叡智の表れという、腕や目が多いのもだ。それだけの力が備わっているというのだ。
「神ならばその千の頭の全てが叡智であり」
「まとまっているがな」
「人間は違います」 
 そして人間が運営している国家もだ。
「ですから」
「そこを衝くか」
「そうしていきです」
「連合を乱してか」
「動きを止めてです」
 そうしてというのだ。
「我々はその間に発展をしていきます」
「相手に発展をさせないか」
「先程のお話は統計の仕方によってですが」
「二十倍どころか二百倍だな」
「それだけの違いがありますが」
「まさに何かあればだな」
「すぐに飲み込めます」
 連合はマウリアをというのだ。
「それが出来ます」
「圧倒的だな」
「エウロパもサハラも然りで」
「人類の統一も出来るか」
 人類社会、それをだ。
「彼等は」
「可能でしょう、全人類の八割五分以上が存在し」
 人口のうえでだ。
「その統計に従うとです」
「他の国々なぞ米か麦の粒だな」
「皿の上のカリーやナンと比べてです」
 どちらがカリーやナンでどちらが米や麦の粒かは言うまでもなかった。
「それだけの違いがあります」
「あまりにも豊かでか」
「国力も高いですから」
「そういえば連合は国家だけではなかったな」
「その中に我々以上の様々な組織が存在していてです」
「企業の力も大きいな」
「この企業の力が相当で」
 マウリアやエウロパより遥かにというのだ。
「そこに財団等も入れますと」
「我々の二百倍か」
「後でその統計の資料をお送りしましょうか」
「頼めるか」
「その統計を出した学者達の名前もです」
「出せるのだな」
「はい、連合の学者グループで連合では昔からです」
 この国ではというのだ。
「そうした統計が知られていました」
「二百倍か」
「我々と比べると」
「長い間二十倍と思っていたがな」
 クリシュナータはだ、国家主席といえど彼が知っている統計と知らない統計があり彼はそちらの統計は知らなかったのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧