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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その五

「ですから相手がそれこそジェームス=ボンド以上のスーパースパイでもない限りはです」
「見付かりはしないか」
「はい」
 こう言い切るのだった。
「そうした人員は選びました」
「そうして送ったか」
「それだけ国益になりますので」
 連合から得られる情報はというのだ。
「ですから」
「それで、だな」
「そうそうはです」
「見付からないか」
「その自信があります」
 こうクリシュナータに言い切った。
「彼等ならばです」
「絶対に見付からず」
「はい、無事にです」
「情報を手に入れてくれるか」
「そうしてくれます」
 捕まることも手掛かりを掴まれることもなく、というのだ。
「全員が」
「それはいいことだ、連合の技術はな」
「どれもですね」
「マウリアやエウロパの技術を遥かに凌駕している」
 特に民間技術と惑星の開発及び開拓技術はだ、彼等は先年の平和の中での発展からそうした技術をかなり高めてきたのだ。
「あの豊かな生活もだ」
「技術にもよるところが大きいですね」
「数百年は進んでいる」
 マウリアと比べてだ。
「まさにな」
「一気に技術を数百年も縮められませんが」
「徐々に縮めてだな」
「近付くことは出来ます」
「だからだな」
「はい、連合の技術を手に入れ」
 連合からしてみれば盗むとなるがだ。
「そしてです」
「そのうえでだな」
「進歩した技術で」
 まさにそれでというのだ。
「豊かになりましょう」
「連合の様にな」
「そうなりましょう」 
 ジャバルはこうクリシュナータに話した。
「我々は既に下地がありますし」
「肥沃な土地にいい街にな」
「そして資源と産業基盤が」
 そうしたものが全てあるというのだ、マウリアに。
「ですから後はです」
「手に入れた技術を使いだな」
「発展すべきです」
「そういうことだな」
「これまでは連合のロートルの技術ばかりでした」
 彼等が手に入れた技術はだ。
「全ては」
「そうだったな、これまでは」
「連合からしてみればまさに数百年前のです」
「どうでもいい技術だな」
「はい、他国に漏らしても何も問題はない」
 連合の外に出してもだ、尚連合の中で出せばその技術は常に連合の中ですぐに定着してしまう。他の企業や国家も研究として出すか盗んでだ。
「そうした技術ばかりがです」
「我が国に渡っていたな」
「例えばテレビにしましても」
 電化製品の代表もだ。
「これもです」
「連合ではだな」
「恐ろしいまでにです」
「進化したものか」
「大きくてです」
 その画面がというのだ。 
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