星河の覇皇

「そう言えます」
「だからだな」
「連合とエウロパもです」
「手を結ぶことが有り得」
「そしてそれはです」
「往々にして我々にとっては不利益だな」
「そうなることが考えられるので」
　だからだというのだ。
「その場合はです」
「妨害するか」
「あらゆる手段を用いて」
「そうしていくか」
「実は連合は孤立しても構いません」
　この国はというのだ。
「一向に」
「あの国力ではな」
「むしろあの国が動こうとすれば」
「その時はだな」
「我々三国が協同してです」
　マウリラ、エウロパ、そして統一されたサハラがだ。
「ことにあたるべきです」
「バランサーでもだな」
「バランサーだからこそです」　
　ジャバルは平然としてクリシュナータに話した。
「状況のバランスを取る為に」
「連合の敵になる」
「そうなることも必要です」
　時と場合によってはというのだ。
「そうなります」
「そうか、シビアな見方だな」
「はい、ですが間違っているでしょうか」
「いや、その通りだ」
　にやりと笑ってだ、クリシュナータはジャバルに答えた。
「政治は現実だ、理想という目標も必要だが」
「現実の世界のものなので」
「現実としてそうすべきならな」
「そうすべきですね」
「その通りだ、そして結果が極めて重要だな」
「その結果を出す為には」
　ジャバルはさらに話した。
「手段もです」
「時と場合によってはだな」
「結果、最良のものを出す為には」
「どういった手段もだな」
「構わないのもです」
　それもというのだ。
「一つの考えであり」
「その考えをだな」
「していきたいです」
「成程な」
「はい、そして今私は政策として連合の情報を集めています」
「そのあらゆる情報をだな」
「技術やシステムを含めて」
　その全てをというのだ。
「そうしています、そしてエウロパにも流していますが」
「それもだな」
「政治です」
　そうだというのだ。
「そう考えています」
「まさにだな」
「はい、そして」
「かなりの情報を集めているな」
「そうしています」
「連合は気付いている者もいる様だが」
「そうですね、しかしそれでもです」
　例え連合の中で気付いている者がいてもというのだ、ハンニバルの様に。
「要は尻尾を見せない」
「それでいいのだな」
「そうすれば灰色ですので」
「何とでも言えるな」
「知らぬ存ぜぬで済みます」
「そういうことだな」
「送っている工作員は皆かなりの者です」
　その工作員としてのレベルはというのだ。