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学園黙示録 Highschool Of The Dead ~壊れた世界と紅の狼~

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突然の別れ

~真紅狼side~
無事に転生した後、俺の家はどうやら小高い山の上にあるらしい。
と言ってもそんなに高くなく、学校より遠い場所にある。
高城家より上にある時点で、なんかがおかしいぞ、コレ。
取り敢えず、屋根の上に乗って景色を見た。
なかなか綺麗だが、これが一カ月後にはどこもかしかも<奴等>で溢れかえるとなると、寂しいもんだ。
だがまぁ、暴れ放題ってのもまた悪くない。


「まずは、手始めに屋敷の周りを結界魔術と迎撃魔術で覆うか」


隙間なく埋めた。びっしりと。
陣を<奴等>もしくは、許可が下りていない連中が踏むと、真空の刃が対象者に襲い掛かるように仕込んだ。


次に、BMWのX3のタイヤをランフラットに切り替えた。
ランフラットは値段がそれなりに張るが、その代わり堅く釘などと言ったそういう物を踏んでも普通に走行できる特殊なタイヤだ。
ただ、堅過ぎる故応急処置が出来ず、新しいのに替えなければならないというのが最大のネック。


と言う風に色々と対策を練ったり、仕込んでいたらいつの間にか一カ月が過ぎていた。
時間が進むのが早いな~。
一応、舞台の出発点となる“藤美学園”にも通ってる。
原作主人公の小室孝とはすぐに仲良くなり、宮本麗や井豪永とも仲良くなったが俺は何故か孝と麗の愚痴を聞いたりなどと板挟み仕事をやっていた。
我ながら、何をやっているんだか………。
今日も、学園には通ってるが授業には出てない。


「さぁ、早く始まってくれないかな? 時間帯で言えば、もうそろそろの筈なんだが………」


俺は一人のんびりと事が起きるのを待つ為に、屋上で昼寝していた。
すると、非常階段の方から高城と小室の声が聞こえてきた。
そして………


ガシャンッ!!


校門を叩く音が聞こえてきた。
校舎から複数の教師たちが対応しているが、ご愁傷様。


『ぎゃああああああああああ!!!』
『きゃああああっっ!!』


小室はその様子を見て、一瞬で“ヤバイ”と判断したのか、宮本と井豪を連れて逃げようとしていたので、声をかけてやった。


「おい、小室」
「蒼騎!? お前、アレを見たか!?」
「ああ、これから最大級の災厄が起きるから、宮本と井豪を連れて屋上に来い。早くしねぇと………死ぬかもしれんぞ?」
「わ、分かった!」


小室は急いで宮本と井豪がいるクラスに駆けていった。


「さーて、世界は壊れ、理は消滅した。生き残りたければ他者を殺せ」


それがこの“新世界”での生き残る方法。
~真紅狼side out~


~小室side~
俺は、目の前で起こった出来事を目の辺りにした後、すぐさま麗達に伝えようとした時、上から声を掛けられた。


「おい、小室」
「蒼騎!? 今の……!」


蒼騎と話して、その後『屋上に来い』と伝言を預かった後、俺は急いで麗達が居る教室に走った。
授業中でも関わらずに俺はドアを開けた。


「麗!!」
「孝……?」
「ちょっと来い!」
「ちょっ……ちょっと何よ!?」
「いいから来い!! ……「孝、何かあったのか?」……ああ、永も来てくれ」
「分かった。麗、行くぞ」


なんとかして麗と永を教室から連れ出した俺は真紅狼の言われたとおりに屋上に向かった。


「ちょっと離しなさいよ!!」
「待て、麗。何があった? 孝?」
「不審者が校門前で立っていて、それを追い払おうとした教師の一人がそいつに噛まれた。すると、その教師も噛まれた奴と同じ姿になって、近くに居た教師たちを貪り食っていたのを目にしてから、本能でアレは危険だと叫んだ。そんでお前達を呼びに行こうとしたら、真紅狼から声をかけられて………お前らを連れて『屋上に来い』だってよ」


俺は簡単に説明した。
その時、校内放送が流れた。


『ただいま、校内に不審者が入りこんでいます! 全校生徒はそれぞれの教師の指示を………ひぁ!! く、来るな!! あ、あああーーーー!!! ブツッ………ザァアアアアアアア!!』


その放送が流れてから、数分後どのクラスから混乱が起こり、一斉に廊下に大量の生徒が流れ出た。


「これが真紅狼の言っていたことなのか?」
「取り敢えず、真紅狼がなにか知っていることは間違いないんだ。遠回りしてでも屋上に行くことが先決だ」
「そうね、永。ほら、行くわよ孝!」


俺達は、この混乱の中、真紅狼が待ってる屋上へと向かった。
~小室side out~ 
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