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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その十六

「そうするとです」
「国力を背景にした消耗戦にだな」
「持ち込みますと」
「勝機が見えるか」
「我々に」
 こうアッディーンに話すのだった。
「そう思いますが」
「そうか。ではな」
「閣下としてはですね」
「考えていたが」
 既に頭の中でだ。
「そうしていくか」
「そうされますか」
「やはりな」
「わかりました、では」
「ダメージを受けた艦艇、戦傷者はすぐに後方に送る」
 無理はさせずだ。
「そうしてだ」
「無傷の将兵、艦艇をですね」
「補充していく」
 損傷を受けたその傍からというのだ。
「そうしてだ」
「何度も戦いを挑み」
「そのうえでだ」
 まさにというのだ。
「相手に消耗を強いる」
「そうしていけば」
「勝つのは我々だ」 
 最後の最後にだ。
「そうなる」
「国力の高い方がですね」
「こうした戦い方もあるな」
「国力を使った戦いですね」
「そうだ、連合に似ているが」
「あの国は完全にそうですね」
「ああした戦いが出来れば」
 まさにというのだ。
「強いな」
「兵が弱くとも」
「問題ではない」
 連合のその弱兵さは有名だがアッディーンは物量が圧倒的ならばそれは問題はないとした。
「一切な」
「押し切れるからですね」
「圧倒的な数とそこから来る火力でな」
「そうした戦い方もあり」
「損害をその都度補充してだ」
 そのうえでというのだ。
「戦っていけばな」
「やがてはですね」
「敵がすり減る」
 つまりティムールがだ。
「そして継戦能力がなくなればだ」
「我々の勝利ですね」
「そうなる」
 その時点でというのだ。
「そうした勝利の求め方もある」
「そして今は」
「それも考えている」
「勝つことですね」
「勝つことがだ」
 何といってもというのだ。
「第一だな:」
「はい、言うまでもなく」
「そう考えるとな」
「そうした戦い方もですね」
「ある、国力を使ったやり方もな」
「そうなりますね、では閣下とシャイターン主席で」
「何度も戦おうともな」
 その最期はというのだ。
「オムダーマンが勝つ」
「それでは」
「その雌雄を決する為にだ」
「国境に向かいそのうえで」
「戦いをはじめる」
 それはもう少しだった、国境に辿り着くのは。そうしたことを話しつつそのうえでだった。 
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