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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その七

「そして焦土戦術も使い」
「我々を補給から弱めていくつもりだったな」
「そこで拠点を築かれたので補給路を叩こうとしました」
「我々が艦隊を動員して警護していてもだな」
「そうでした」
 拠点は急激に整備が整えられていてだ。
「そうして戦うつもりでしたが」
「それがだったのだな」
「ハサンの政権が交代し」 
 ハラスは今は淡々と話していた、完全にオムダーマンの軍人になっているからそうなっているのである。
「私は更迭されてです」
「あの様になりました」
 一言で言うとハサンが敗れたというのだ。
「そうなりました」
「そうだったな」
「補給が充実したので」
 その時のオムダーマン軍はである。
「攻勢に出られましたね」
「その通りだ」
「そのことを考えてもです」
「まずは補給だ」
 それの充実が肝心だというのだ。
「そして整備だ」
「そうしたものが充実し」
「万全に戦えますね」
「そうだ、しかし思えばだ」
 アッディーンはまた過去の自身の戦いのことを思いだしつつそのうえで司令達に話したのだった。
「かく言う私自身これまではだ」
「その補給をですね」
「無視する様な戦いをしてきた」
「そうだと言われるのですね」
「そう思う」
 自分自身でというのだ。
「どうもな」
「そうなりますか」
「我々はそうは思いませんが」
「閣下ご自身が思われるにですか」
「急襲を仕掛けたこともある」
 まだ彼が艦隊司令で西方でのオムダーマンの勢力拡大の為に一軍人として戦っていた時のことだ。
「そうしたこともだ」
「そういえばそうでしたね」
「敵の予想を超えての素早い進撃や」
「意表を衝いての急襲もありましたね」
「サラーフとの戦いでもです」
「最初はアステロイド帯を超えての奇襲でしたね」
「そうして敵の基地を奪っています」
 そこにあった物資もだ。
「そうして戦っていますから」
「だからですね」
「今もそう言われるのですね」
「補給を無視していたと」
「その様に」
「作戦を成功させる自信はあった」
 確実なそれをだ、だからアッディーンもこれまでそうしたここぞという時にそうした急襲や奇襲を仕掛けてきたのだ。
「そして補給も整備もな」
「確実にですね」
「問題がないと思っていた」
「そう確信されていたのですね」
「だからこそしたにしてもですね」
「そうした意見が普通だろう」
 そうした時のアッディーンは補給や整備を無視した賭け、軍事的冒険と言われるものをしたとだ。
「やはりな、しかしな」
「実はですね」
「それは違う」
「そうなのですね」
「そうだ、確実に勝てると確信があったからしたのだ」
 アッディーン自信がだ、他ならない。 
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