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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その三

「勝敗を決する」
「特に閣下と主席が」
「そうされてですね」
「守るべき時は守る」
「攻めるべきでない時は攻めない様にして」
「そうしてですね」
「戦っていってですね」 
 司令達も口々に言った。
「中々進まずとも」
「争っていく」
「そうした戦争になりますね」
「この度の戦争は」
「そうだ、ここで焦るとだ」
 勝利を掴もうとだ。
「わかるな」
「はい、その時は」
「負けますね」
「そうした激しい鍔競り合いの時は」
「先に焦った方が」
「そうなりますね」
「そうなる、だからだ」
 それでというのだ。
「いいな、我々はだ」
「はい、そこはですね」
「焦らず戦っていく」
「早急な勝利を求めず」
「確実な勝利をですね」
「戦争は確かにだ」
 アッディーンは彼のこれまでの戦いから語った、奇襲や急襲といった戦術で勝ってきたことが多いそれを。
「迅速に勝つことが望ましい」
「その通りです」
「戦争は相当な消費です」
「国全体を挙げての」
「そうしたものです」
 司令達も言う。
「そして返ってきません」
「消費だけで」
「後の収益にもつながりません」
「そうしたものです」
「その通りだ、それでだ」
 アッディーンはまた話した。
「最善の戦争はだ」
「迅速に勝つ」
「短期戦がベストです」
「はじめるからには迅速に進め迅速に終わらせる」
「そうしたものです」
「私もそう考えている、しかしだ」
 それでもというのだ。
「だからといって焦ってもだ」
「なりませんね」
「どうしても」
「だからですね」
「焦ってはならない、具体的に言うと迂闊に攻めることはだ」
 それはというのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「危ういですね」
「そうなるからですね」
「防衛ラインには迂闊に攻めない」
 敵のそこにはだ。
「隙が出来るまで待つ」
「攻められるタイミングを」
「それまでは攻めない」
「そういうことですね」
「そうする、攻めるには機を窺うことだ」
 例えそれが一瞬の、僅かなものであってもだ。アッディーンはここでもこれまでの彼の戦いのことから話した。
「いいな」
「はい、そうします」
「ここはですね」
「機を窺い続ける」
「そうしていきますか」
「まずはな、そして私はだ」
 他ならぬアッディーン自身はというと。 
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