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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その四

「間違いなくだ」
「シャイターン主席との衝突になる」
「正面きっての」
「負けられない戦いですね」
「それを繰り広げることになりますね」
「戦力が減ればだ」
 お互いのというのだ。
「順次補充していってな」
「そうしていかれますね」
「整備、補給の基地も」
「既に万全で」
「後方には各軍二個艦隊を予備として置いています」
 それで八個艦隊となっているのだ、前線に八個艦隊を置いて後方に二個艦隊を置いているのだ。
「その二個艦隊もですね」
「使う」
「そしてですね」
「そのうえで」
「勝つ」
 そうするというのだ。
「失わない戦いにしたいが」
「それでもですね」
「戦争をしていれば兵器も将兵も失う」
「その分は補充して」
「そしてですね」
「戦っていきますね」
「そうだ、こう考えるとだ」
 ここでアッディーンが言うことはというと。
「やはりな」
「はい、この度の戦争は」
「数の戦いですね」
「そして国力の」
「それが大きいですね」
「勝敗を分けるものになりますね」
「正面きっての戦いとなればだ」
 双方がだ。
「その時はだ」
「やはり国力ですね」
「その勝負になりますね」
「そして国力が高い方が勝つ」
「数の多い方が」
「それが真理ということか」
 こうも言ったのだった。
「単純明快と言うべきか」
「古来より言われていますね」
「戦争は数であると」
「ではこの度の戦いもですか」
「数を使う」
「そうした戦いですか」
「これまではそれを覆してきた」
 オムダーマン軍はとだ、アッディーンはここでもこれまでの戦いのことから話をしたのだ。
「数の違いをな」
「ハサンに対してもサラーフに対しても」
「そうして勝ってきましたね」
「如何にして数の優位を覆すか」
「そのことに腐心してきましたね」
「そうだった、そうして勝ってきたが」
 それでもというのだ。
「これからはじまる戦いはだ」
「これまでとは違い」
「数で戦う」
「そうした戦いですね」
「まさに」
「戦っていく、だがシャイターン主席もわかっている」
 敵である彼もというのだ。
「このことはな」
「だからですね」
「そのことも踏まえて」
「そうしてですね」
「数の優位を覆されぬ様」
「このことが肝心ですね」
「数は大きいが」
 戦争においてはだ。
「しかし全てではないからな」
「さらにです」
「やはり他の要素も大きいです」
「だからこそ我々もここまで勝ってきてです」
「今に至ります」
「だからだ、数の優位に驕らないことだ」
 このことも重要だというのだ。 
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