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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その二

「攻めるべきだが」
「それは、ですね」
「容易には出来ないですね」
「ティムール軍も愚かではありません」
「迂闊には攻めて来ないですね」
「そうしてくる筈だ」
 こう司令達に言った。
「だからだ」
「はい、我々はですね」
「迂闊には攻めず」
「そうしてですね」
「今は様子を見る」
「開戦となっても」
「そうすべきだ、しかしだ」
 こうもだ、アッディーンは司令達に話した。
「私は違う」
「閣下の行かれる前にはですね」
「シャイターン主席が来ますね」
「ティムール軍が」
「そうしてきますね」
「シャイターン主席と戦えるのは一人だけだ」
 彼の采配に対抗出来るだけの人物はというのだ。
「私だけだ、だからだ」
「主席には閣下ですね」
「閣下が赴かれ」
「そしてですね」
「戦われますね」
「主席も同じことを考えている」
 シャイターンの方もというだ。
「私と戦える者は自分だけだとな」
「他の将ならば敗れる」
「シャイターン主席と戦えば」
「それこそ相当な戦力がないなら」
「そうなりますか」
「そうだ、私も主席もわかっている」
 お互いにというのだ。
「それならばだ」
「ここはですね」
「閣下が赴かれ
「そうしてですね」
「全面対決となりますね」
「我々はな」
「そして我々はですね」
 ラーグワートが言ってきた。
「その間は」
「相手が攻めてきたなら別だが」
「自分達からはですね」
「攻めない」
 アッディーンはワーグワートにもこう言った。
「そうしてもらう」
「わかりました」
「そうしてもらう、若し攻めるとだ」
「そこそが相手の思う壺ですね」
「まさにな」 
 それに他ならないというのだ。
「そこは守ってもらう、また言うが」
「畏まりました」
「その様にな、そして考えていることだが」
 アッディーン自身がだ。
「おそらく私と主席の戦いはどちらも決定的な勝利は得られない」
「数と兵器の質もですね」
「同じならば」
「そうだ、おそらくそれだけのものを用意してくる」
 シャイターンの方もというのだ。
「そしてだ」
「ほぼ互角の戦力で、ですね」
「お互いがぶつかり」
「そうしてですね」
「お互いに正面から衝突し」
「そうした戦いになると予想されるので」
「そうだ」
 だからだというのだ。
「我々の戦いは容易にはだ」
「進めない」
「国境からですね」
「それはですね」
「出来ないですね」
「そうだ、おそらく国境付近で何度も衝突してだ」
 そのうえでというのだ。 
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