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おぢばにおかえり

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第五十九話 先輩と神戸でその十二

「また別のってをって考えてるけれど」
「じゃあ今からですね」
「お店にね」
「わかりました、じゃあ私も」
「ご両親に何か買うのね」
「はい、それと」
 私は先輩にさらに言いました。
「妹達にも買います」
「ちっちは妹思いね」
「二人いまして」
 私は先輩に笑って答えました。
「いつも公平にって意識しています」
「そういえば三人姉妹の長女さんだったわね」
「はい、ですから」
 一番上のお姉さんだからです。
「いつも意識しています」
「そうなのね、お姉さんなのねちっちも」
「そうなんですよね、長女も大変ですね」
「しかもちっちが教会継ぐのね」
「教会ですからね、うちは」
 その長女だからです。
「子供の頃から意識していて」
「今もなのね」
「そうなるって思っています」
「そうなのね」
「はい、それで」 
「そうね、ただね」
 ここで私にです、先輩はこんなことも言われました。
「もう一つ忘れないでね」
「もう一つ?」
「あの子よ」
 私にとても優しい笑顔で言ってきました。
「あの子の分も忘れないでね」
「あの子っていいますと」
「だから。この前おぢばで私と会った時に一緒にいた後輩の子よ」
「阿波野君ですか」
 そう言われるとわかりました。 
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