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八条学園騒動記

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第五百六十八話 働き手その三

「思ったのですが」
「それがです」
「学園としてはですか」
「多過ぎるとです」
「言われていますか」
「はい、そもそも八条学園は」
 自分達が通っている学園はとだ、ベッキーはさらに話した。
「お金についてはです」
「困っていないのですね」
「何しろ連合屈指の巨大企業グループが経営しています」
 それ故にというのだ。
「資金は潤沢とのことで」
「だからですか」
「はい、寄付もです」
 それ自体がというのだ。
「気持ちだけ受け取って」
「それで、ですか」
「遠慮させて頂きたいと」
「言われていますか、ですが」 
 それでもとだ、セーラは述べた。
「このことは」
「はい、ですからお嬢様の寄付は」
 今話しているこれのことはとだ、ベッキーは自身の主に答えた。その答える姿勢も実に様になっている。
「慈善団体にです」
「そちらにですか」
「八条グループはそちらにも熱心なので」
 こうしたことは企業の義務と考えているからだ。
「送らせてもらうとです」
「言われていますか」
「はい」
 実際にというのだ。
「その様に」
「そうですか、それは何よりです」
「はい、それではですね」
「その様にして頂いて」
 そしてというのだ。
「必要な方にです」
「使って頂きたいですね」
「はい」
 まことにというのだ。
「その様に」
「それでは」
「そういえば八条家は」
 セーラはこの家のことも話した。
「むしろです」
「当家よりもですね」
「それも遥かに」
「資産はあります」
「マウリアと連合では」
 セーラの祖国と今自分達がいるこの国を比較すると、というのだ。
「もうです」
「国力差が違います」
「三百倍もの」
 それだけの違いがあるのだ、実際に。
「人口は四十倍」
「そこまでの違いがありますね」
「ですから桁が違いますね」
 ここでセーラはこうも言った。
「所詮シヴァ家は千年かその辺りの家です」
「日本の皇室と比べますと」
「そうです、あのお家は四千年です」
 ラメダスに応えて述べた。
「もうです」
「全く違いますね」
「そして資産も」
「日本の皇室は質素ですが」
「皇居を見ましても」
「当家の一番小さな別荘よりもです」
 さらにというのだ。
「全く以てです」
「小さなものですね」
「ですが」 
 セーラはあらためて述べた。
「その資産は実は」
「はい、国宝級のものばかりで」
「何千年もの歴史があるものをです」
「数えきれないだけ持っています」
「そう思いますと」
 まさにというのだ。 
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