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八条学園騒動記

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第五百六十八話 働き手その四

「我がシヴァ家なぞです」
「小さいものですね」
「そうです、そもそも当家は王です」
「それに対して日本は皇室であられ」
「天皇つまり皇帝です」
 その立場であるというのだ。
「王と皇帝では全く違います」
「皇帝は王を任じることが出来ますね」
 ベッキーも言ってきた。
「そうですね」
「はい、王とは違います」
「王は一国の存在ですね」
「しかし皇帝は文明です」
「一つの文明の存在ですね」
「格が違います、シヴァ家なぞともです」
 そこまでとだ、セーラはこうも述べた。
「言ってしまえます」
「日本の皇室はそこまで格が違い」
「そして連合の富もです」
 これもというのだ。
「全く以てです」
「桁が違うと」
「マウリアと比べますと」
「そして当家の富もですか」
「そうだと考えています」
 まさにというのだ。
「八条家とも」
「八条家は一見贅沢ではないですが」
 それでもとだ、ラメダスが言ってきた。
「その実はです」
「富が違いますね」
「桁が」
 まさにというのだ。
「当家とは」
「左様です、それが連合と言えばです」 
 ラメダスはこう述べた。
「まさにです」
「そうなりますね」
「はい、実際に連合の中にいますと」
「その豊かさに驚くばかりですね」
「マウリアより二百年は進んでいます」
 そこまでのものだというのだ。
「この国は」
「はい、その連合で多くのことを学び」
「その学ばれたことをですね」
「活かしていきます」
 そうしていくとだ、セーラはダラメダスに答えた。
「そうしていきます」
「その為のご留学ですし」
「学んでいきます、では」
 セーラは紅茶を見つつ述べた。
「今はお仕事をです」
「続けていかれますね」
「そうしていきます」
 こう言って実際にだった。
 セーラは紅茶やコーヒーを選んでいった、それが終わると今度は帳簿を見たがそのセーラにルビーが聞いてきた。
「さっきコーヒーも見てたけれど」
「はい、それが何か」
「セーラってコーヒー飲むの?」
「いえ、飲みません」
 セーラは一言で答えた。
「紅茶派です」
「そうよね。いつも紅茶を飲んでいて」
「コーヒーは嫌いではないですが」
 それでもというのだ。
「どちらかと言われますと」
「紅茶なのね」
「そちらをです」
 常にというのだ。
「選ばせてもらっています」
「それでなのね」
「コーヒーは口にしません」
 そうしているというのだ。
「私は」
「嫌いでなくても」
「そうです。ですがコーヒーも」
「選んでくれたのね」
「そうさせて頂きました」
 セーラはルビーに微笑んで答えた。 
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