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八条学園騒動記

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第五百六十五話 歌劇も観てその十二

「長老さん達には逆らえないのよ」
「それって凄いね」
「連合全体に影響力あるし」
「イスラエルって人口は少ないけれど」
 それでもとだ、菅はアンに無表情で話した。
「殷然たる力があるよね」
「連合全体でね」
「そうだよね」
「だからね、あの人達ってね」
「連合全体にもだね」
「色々言えるのよ」
「そうした存在なんだ」
 菅はやはり無表情のままだがこれは彼の個性である。
「最早」
「もう連合の裏番とか言われてるし」
 アンはこうも言った。
「イスラエル自体が」
「確かにそう言われてるね」
「だから怖いのよ、ちなみに動かすお金と集まる情報なんて」
 その長老達のところにだ。
「物凄いっていうから」
「お金と情報は武器だね」
「何といってもね」
 まさにとだ、アンは菅の今の言葉にも答えた。
「だからなのよ」
「もう十二支族の長老さん達は」
「石頭でね」
「力も凄いんだ」
「そうなの」
「もう無敗だね」
「ちなみにイスラエルでは陰口で」
 そっちだ、アンは二人に囁く様にして話した。
「いつも十二人の老害ともね」
「言われるんだ」
「そうなんだ」
「そう、実はね」
 このことも話した。
「これがね」
「それは予想がつくね」
「お話を聞いてたら」
「というかお爺さんで」
「しかも石頭でね」 
 二人はこのことからだと言うのだった。
「口煩いだろうし」
「それだとね」
「そう、実際に批判されることも多いけれど」
 それでもとだ、アンは二人にさらに話した。
「イスラエルではずっとあるのよ」
「そうなんだね」
「アンの国で一番偉い人達としているんだ」
「そうなの、そもそもね」
 ここでだった、アンは。
 首を傾げさせてからこう話した。
「消えた十支族って言うわね」
「有名だね」
 菅はアンのその言葉にすぐに返した。
「確かバビロン捕囚からね」
「ユダ王国のご先祖様が帰ったらね」
「イスラエル王国にいた人たちはいなくなっていた」
「それがなのよ」
「消えた十支族だね」
「そう、イスラエルが建国されてから探して」
「見付かってね」
「戻ってきたけれど」
「本当に十支族かなってね」
「実は言われてるのよね」 
 戻ってきた彼等はというのだ。
「ユダヤ教徒でも」
「果たして本当に十支族の血は入っているか」
「実はDNA検査もしていないし」
 科学的な検証はしていなかったというのだ。
「それでね」
「言ったらそれでだったんだね」
「通ってたから」
「そうだったんだ」
「ユダヤ教って戒律は無茶苦茶厳しいけれど」
 それでもとだ、アンはさらに言った。 
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