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八条学園騒動記

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第五百六十五話 歌劇も観てその十三

「国家から凄いフォローあるから」
「何でも就職とか福祉とかね」
「そう、連合の中でもトップクラスでしょ」
「これだけいい国ないっていうね」
「揺り籠から墓場まで、でね」
 マルティに対して話す、連合創設以来イスラエルは連合随一の福祉国家となっていてそれで有名なのだ。
「だからね」
「ユダヤ教は厳しくても」
「就職は斡旋してくれて」
 イスラエル政府がというのだ。
「それで福祉も凄いから」
「それでなんだ」
「自分が十支族って言って」
「ユダヤ教に改宗して」
「それでなった人も多いみたいよ」
「本当に十支族かどうかは怪しい」
「それも甚だね」
 アンはこの言葉も言い加えた。
「そうなのよ」
「まあそうだという予想だけれど」
「イスラエル人もわかってるのよ」
 このことはというのだ。
「実際ね、けれどね」
「そこをあえて言わない」
「わかっていてもね」 
 それでもというのだ。
「そうしているのよ」
「言わなければいい」
「そう、十二支族はまた揃ったのよ」
「そういうことだね」
「まあ流石にバビロニアとかアッシリアには文句言わないけれど」
 古代民族国家には、というのだ。連合には古代民族が復活したと称する国家も多数存在しているのだ。
「別にね」
「バビロン捕囚とかあっても」
「だって四千年前で」
 それにとだ、アンはさらに話した。
「もうその頃のこと言ってもね」
「仕方ないね」
「だって今のアッシリア人と戦争するか」
「バビロニアとかとだね」
「それもないからね」
 だからだというのだ。
「外交で揉めることはあっても」
「貿易とかでもあるね」
「けれどね」
「戦争はないし」
「バビロン捕囚とかエジプトに連れて行かれるとか」
「絶対にないよ、そうしたことは」
 菅もこう言った。
「流石に」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「もう恨みとかないから」
「バビロニアとかには」
「というかアッシリア人っていっても」
「アルフレド達だね」
「アルフレド達も言ってるけれど」
「血がつながってるかどうか」 
 古代のアッシリア人達とだ、この辺り十支族と事情は同じである。
「不明でしょ」
「つながってないと思うよ、ローリーも言ってるけれど」
 ヒッタイト人の彼女もというのだ。
「まずね」
「つながってないわよね」
「そんなのだから」 
 それでというのだ。
「もう憎しみとかも」
「全然ないわよ」
「そうだよね」
「そうよ、まあとにかくね」
「とにかく?」
「今回の舞台私看板描くけれど」
 アンは自分の仕事の話もした。
「どんなのでもいいかしら」
「アンの絵だといいと思うよ」
 マルティはアンの質問にすぐに答えた。
「それで」
「そう、じゃあね」 
 アンは笑顔で頷いた、そして二人にある絵をだした。その絵ははというと。


歌劇も観て   完


                 2020・3・24 
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