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八条学園騒動記

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第五百六十話 国民の持病その六

「というか飲まないと」
「動かない国よね」
「僕達のワイン以上だよ」
「寒いからよね」
「あともう根っから好きなんだろうね」
 酒、それがというのだ。
「何といっても」
「まあお酒イコールロシアだからね」
「もうどれだけ無茶苦茶な政府でも」
「イワン雷帝とかスターリンとか」
「そうした頃でもお酒は規制しなかったから」
「そこまでなのね」
「逆に規制したら」
 その時はというと。
「その政権倒れるから」
「どんな善政をしていても」
「ロシア人の忍耐力は凄いけれど」
 一説には無欲とも言われている、仕事と家とパンと酒があればいいというのがロシア人と言われている。
「それでもね」
「お酒については」
「もう我慢しないし」
「出来ないのね」
「飲めないなら」
 そうなればというと。
「もうね」
「どんな政権でもなのね」
「倒れるから」
「それ凄いわね」
「飲むな、働けって言ったら」
「他の国じゃ常識よね」
「そうだけれどね」
 このことは事実でもというのだ。
「ロシア人にそれ言うとね」
「駄目なのね」
「ソ連はこれで倒れたんだよ」
 スターリンのこの政権はというのだ。
「実は」
「そうだったの」
「ゴルバチョフがこう言って」
 そのソ連で最初で最後の大統領である計らずもこの政権の幕引き役となってしまった人物として歴史に残っている。
「それでね」
「政権倒れたの」
「物資不足よりも」
 当時ロシアを象徴する事態だったこれよりもというのだ。
「どうもね」
「お酒を飲むなと言ったことが」
「アウトだったみたいだね」
「そこまでお酒好きなの」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「今もロシア人はいつも飲んでるんだよ」
「そうなのね」
「この学園でもね」
「そういえばそうね、まるでお水飲むみたいにね」
 ティンもこのことは見てきた、連合中から人が集まる八条学園ではロシア人も普通にいるからである。
「飲んでるわね」
「それもウォッカをね」
「日本でもそうだし」
「当然ロシアでもね」 
 本国でもというのだ。
「そうだよ」
「凄いわね」
「あとフィンランドもね」
 ピーターはこの国の話もした。
「お酒好きなのはね」
「持病なのね」
「あそこは寒くない地域も多いけれど」
 この時代ではだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「お酒は好きで」
「かなり飲んでるのね」
「それもウォッカを」
 ロシアの代名詞となっているこの酒をというのだ。
「ごくごくとね」
「飲んでるのね」
「流石にいつも飲まないけれど」
 それでもというのだ。 
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