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八条学園騒動記

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第五百六十話 国民の持病その四

「しかもロシアは物凄く沢山の星系持ってるね」
「連合の国の中で一番ね」
「そこまで持っているから」 
 だからだというのだ。
「人が住んでる星でもね」
「寒い星ばかりで」
「そうおいそれとは」
「進まないのね」
「全部の星を暖かくしようと思ったら」 
 寒帯や冷帯ばかりの星を温帯が多い星にしようとしてもというのだ、それも人が住んでいる星全てをだ。
「時間もかかって」
「お金もなのね」
「惑星開発は大々的に行ってるけれど」
 連合全体でだ、衛星等にも行っている。
「技術はともかくね」
「お金ね」
「これ次第だからね」
「ロシアもお金あるでしょ」
 連合の大国のうちの一国だからとだ、ティンは言った。
「私達の国よりも」
「うん、クロアチアよりずっと大きいからね」
「工業凄いし資源だって」
「無茶苦茶持ってるよ」
「だったらね」
 それならというのだ。
「もうね」
「お金はあるよ、あの国は」
 実際にとだ、ピーターは赤ワインを飲みつつ答えた。
「人口も多いし」
「日本と同じ位か少し多いか」
「今確か六五〇億だから」
 ロシアの人口はというのだ。
「日本より五十億多いね」
「それで国力は日本とどっこいどっこいで」
 この辺りはすぐに変わる、日本とロシアは国力において常に連合の三位と四位という間柄だ。その為二国は連合の中でライバル関係にあると言う人もいる。
「それでよね」
「だから我が国と比べると」
 クロアチアと、だ。ピーターは話した、
「もうね」
「全然違うわね」
「お金の額が二つ位ね」
「それでもなのね」
「うん、どうしてもね」
「そっちにばかりお金回せないの」
「他にもお金使わないといけないから」
 ロシアにしてもだ。
「だからね」
「開発もなのね」
「あと環境のこともあるから」
「環境破壊は駄目だから」
「余計にね」 
 このこともあってというのだ。
「進んでいないんだ」
「そうなんだ」
「難しいところね」
「うん、だからロシアの持病はね」
「寒いことね」
「あの国も横暴だけれど」
 このことはアメリカや中国と同じだ、この三国のこの性質はそれこそ連合建国前からのことであるのだ。
「それ以上にね」
「寒いことがなのね」
「持病だろうね」
「大変ね、あの国も」
「そうだね、寒いのはね」
 どうしてもとだ、ピーターも述べた。
「嫌だよね」
「本当にね」
「僕もそう思うよ、それでね」
「それで?」
「当然クロアチアにも持病はあるよ」
 自分達の祖国にもというのだ。
「しっかりとね」
「どの国にも持病があるから」
「そう、我が国はこれだよ」
 ワインのグラスを掲げながら話した。 
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