八条学園騒動記
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第五百五十九話 タピオカミルクその七
「それでなのね」
「大失敗したのよ」
「そのうえで大恥かいたのね」
「ブラウベルグに公表されてね」
「エウロパ中の笑いものになったのね」
「連合の国からも呆れられたらしいわよ」
同じ国の中にあるこの国々からもというのだ。
「何をやってるんだって」
「本当に恥ね」
「けれどその時も日本にどう思われたか」
「そのことを気にしたの」
「そうだったのよ、だから私も思うのよ」
春香はどうかという顔で述べた、彼女にとっては祖国のそうしたことがどうにも嫌であることがわかる顔だった。
「韓国は日本を離れて」
「そのうえでなのね」
「そう、そしてね」
「そのうえでなのね」
「動いた方がいいわよ」
「そうしたらずっとよくなるのね」
「ええ、日本を忘れて」
そしてというのだ。
「やっていったらいいのに」
「それが出来ないのね」
「千年以上こうだから」
それでというのだ。
「もうおいそれとはね」
「治らないのね」
「本当に二十一世紀の国家元首が恨みは千年って言ったら」
「千年以上よね」
「それだけ続いてるわ」
「ある意味凄いわね」
「凄過ぎるでしょ」
「ある意味ね」
ティンはまた返した。
「尊敬出来ないけれど」
「正直尊敬しなくていいし」
「無茶なお話だから」
「ええ、詰まらないね」
「そうしたなの」
「そうよ、兄さんはどうでもいいだろってね」
その様にというのだ。
「日本については言ってるわ」
「そうなのね」
「発端は三十六年の統治だけれど」
日本に受けたそれだというのだ、所謂日韓併合である。
「三十六年の三十倍の歳月が過ぎてもね」
「三十倍以上でしょ」
「正確に言うとね」
「それでもなのね」
「今だに言ってるのよ」
「というか千年以上前って地球にあった頃で」
「今の連合の国も殆どなかったわよ」
そうした時代のことだったというのだ。
「東南アジアとかオセアニアとかアフリカの国独立してる国僅かだったし」
「韓国が日本に統治されていた頃は」
「そう、そんな時代のことよ」
「気が遠くなる位の昔ね」
「私のクラスでその頃祖国があった人って少ないわよ」
「私のクラスでもよね」
「日本とアメリカと中国とロシアと」
春香はざっとその時代にあった国の名前を出した。
「タイ、オーストラリア、ブラジル、トルコ、メキシコ」
「中南米の国はあったわね」
「アルゼンチンとかね、あとええと」
「ええと?」
「ほら、ケベックが独立した」
春香は考えつつティンに言った。
「あの国よ」
「カナダ?」
「そうそう、あの国よ」
ティンに言われてやっと出た。
「あの国もね」
「その頃あったわね」
「こうした国々はあったけれど」
それでもというのだ。
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