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八条学園騒動記

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第五百五十八話 ラーメン屋を出てその五

「傲慢なお貴族様が平民を搾取を搾取していてね」
「やりたい放題で」
「平民の人達を奴隷みたいに扱っていて」
「自分達だけ贅沢をして」
 ティンも言う、連合ではエウロパを常にそうした国だと言っているのだ、事実は伝わっていてもイメージとして完全に定着していて言っているのだ。
「特権階級でね」
「ふんぞり返っていて」
「十字軍とかね」 
 ティンはこちらの話もした。
「もう誰彼なく殺してね」
「破壊と略奪の限りで」
「野蛮人よね」
「同じキリスト教徒の国でも攻めて」
 このことは史実にある、ビザンツ帝国を攻めた第四次十字軍である。
「誰彼なく殺してね」
「強盗みたいでね」
「そんな風でね」
 春香も言う。
「もう漫画の悪党みたいよね」
「植民地統治だってそうで」
「罪のない人を遊びで殺したり」
「鉱山とか農園でこき使って」
「それでどんどん殺していってね」
「病原菌まで持ち込んで」
「不潔よね、エウロパって」
 春香は連合で定着しているエウロパのこのイメージのことも話した。
「本当にね」
「そうよね」
 ティンも頷くことだった。
「天然痘とかチフス持ち込んだりとか」
「何年もお風呂入らないのが普通だったし」
「私毎日入らないと駄目よ」
「私もよ」
 尚この時代では連合でもエウロパでも毎日入浴するのが常になっている、シャワーの者も多いが清潔にしていることは事実だ。
「絶対にね」
「女の子だしね」
「余計にね」
「けれどよね、エウロパって」
 ティンはさらに話した。
「お風呂も滅多に入らなくて」
「不潔でね」
「体臭もきつくて」
「そう思うと余計に嫌よね」
「本当にね」
「それで人種差別もだし」
 春香はエウロパにかつてあった白人至上主義のことも話に出した。
「私達みたいな人を人間とみなしてなかったのよね」
「アジア系とかアフリカ系の人をね」
「連合なんてもうね」
「殆どの人が混血してるから」
 純粋なコーカロイドやモンゴロイド、ニグロイドは少なくなってきているしそもそも各民族間の混血が普通になっている。
「だからね」
「もう私達人間じゃないのよね」
「エウロパの考えだとね」
「それもね」 
 春香は言った。
「韓国でも言われてるから」
「韓国もエウロパ嫌いなのね」
「超が付く位ね、けれどね」
「日本のことはなのね」
「そのエウロパよりもね」 
 さらにというのだ。
「言ってるから」
「日本がエウロパと揉めたら」
「エウロパにはつかないけれど」
「日本にもつかないのね」
「韓国が連合の政治で日本につくことないでしょ」
「ないわね」
 実際にとだ、ティンは即答で答えた。
「もう国益がそっちの方がよくても」
「日本につかないでしょ」
「国益を無視してまで」
「というか韓国の国益はね」
 春香はその韓国の者としてティンに話した。 
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