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八条学園騒動記

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第五百五十八話 ラーメン屋を出てその三

「ただ、ルーはね」
「激辛よね」
「私達韓国人だからね」
 それ故にというのだ。
「だからルーはね」
「激辛ね」
「カツ丼もキムチどっさり上に乗せるし」
「韓国人はそうなのね」
「辛くないと」
「どうしてもなのね」
「駄目だから」
 それでというのだ。
「カツカレーもね」
「ルーは思い切り辛くなの」
「うんとそうして」
 そのうえでというのだ。
「食べてるの」
「そこは納得出来るわ」
 ティンにしてもだ。
「やっぱり韓国ね」
「ええ、けれどカツカレー自体はね」
「今お話してくれた通りね」
「結構食べるわ」
 そうしているというのだ。
「お家でもね」
「そうなのね」
「あれもよく考えたわね」
「日本人の発想の料理よね」
「ええ、ちなみにね」
 ここで春香はこんなことも言った。
「韓国でカツカレー韓国人が考えたことになってるから」
「そうなの」
「何か適当な人の名前出して」
 そしてというのだ。
「その人が考案したってね」
「なってるのね」
「オムライスもね」
 この料理もというのだ。
「それでナポリタンも」
「日本の洋食で人気があったら」
「もう日本のって認めたくないから」
「そこも韓国ね」
「もう我が国はね」 
 韓国つまり自分達の国はとだ、春香はティンに呆れた顔で話した。
「もうね」
「日本に対する対抗心で一杯ね」
「劣等感やら何やらもあって」
「それでなのね」
「もう日本のものでいいものは」
 そういったものはというのだ。
「食べものに限らずスポーツでも学問でも遊びでもね」
「本当に何でもなのね」
「日本のものって認めたくないから」
「韓国人が考えたっていうのね」
「実在するかどうかわからない人にね」
「つまり創作ね」
「カツカレーってわかってるじゃない」 
 その起源はとだ、春香はティンにあっさりとした口調で話した。もうそれは自明の理であるという言葉だった。
「二十世紀後半に日本で出て来たでしょ」
「確か千葉茂さんっていう野球選手が考えたのよね」
「あの巨人にいたね」 
 この時代では千年連続最下位、千年連続勝率一割という前人未到の『大記録』を達成しているある意味において『偉大な』チームである。
「あの人がね」
「考えだしたのよね」
「千葉さん洋食好きで」 
 そして酒は下戸だったという。
「カレーライスとカツを一緒に食べられないか」
「そう考えてよね」
「考えだしたもので」
 それでというのだ。
「日本起源よ」
「そうよね」
「それでオムライスもね」 
 これもというのだ。 
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