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八条学園騒動記

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第五百五十七話 昔ながらのラーメンその十一

「それでもいいでしょ」
「悪名は無名にっていうの」
「正直評判にならないとお店って駄目でしょ」
「目立たないとね」
「だったらまずくても」 
 例えそうであってもというのだ。
「目立ったらね」
「勝ちなのね」
「そういうものでしょ」
「美味しいだけじゃないのね」
「お店はね」 
 まずは名前が知られることだというのだ。
「そういうものみたいよ」
「不思議なお話ね、ただね」
 ティンはレバニラの韮とレバーを共に食べた、二つの食材の味が口の中で混ざり合い実にいい味になっている。
 その味そして韮とレバーの食感を楽しみつつ春香に話した。
「どうせお店に入ってお金払うなら」
「美味しい方がっていうのね」
「やっぱりいいわよね」
「そうよね、幾ら評判でも」
「それでお店がやっていけても」
 それでもとだ、春香にさらに話した。
「美味しいに越したことはないわよ」
「それはそうね、理想はね」 
 春香は餃子を食べてその味を口の中に残しつつ炒飯を食べた、そうして二つの料理の味を楽しみつつ話した。
「何といってもね」
「美味しくて評判になることでしょ」
「それが正道ね」
「ええ、まあ本当にまずいとね」
「評判になって」
「それで残ることもあるのはわかったけれどね」
「まあ変な商売してたら」
 どうなるかとだ、春香は話した。
「それだけでね」
「お店潰れるわね」
「そうなるわね」
「最初は値段高くて週一の休日があって」
 そうしてというのだ。
「徐々に値段下げてその休日もなくなってく」
「お店追い込まれてるわね」
「それで半年でね」
「お店潰れるのね」
「そんなお話もあるけれど」
「生々しいお話ね」
 ティンが聞いてもだった。
「それはまた」
「実はこうしたお話も聞いたことあるのよ」
「そうなのね、まあそうなったら」
 どうかとだ、ティンは述べた。
「後が大変そうね」
「お店やってる人達はね」
「半年でお店潰したら」
「それまで色々準備してね」
「お金もかかったでしょうに」
「それが半年で終わりよ」
「お店はじめるまでにかかったお金も」
 かなりの高額になるであろうそれもというのだ。
「もうね」
「元を取れなくて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。 
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